分子環境学特論I(第1回/2022年4月14日)感想/質問/回答《30人出席・29人メール送信》
15回の講義を受講していただきありがとうございました.昨年度で退職しましたので,今年度にこの講義をやるとは思っていなかったのですが,専攻からのご依頼で今年度だけ非常勤講師として開講することになりました.2020年度と2021年度にひきつづき,Zoomによる遠隔講義+YouTubeによるオンデマンド講義という形態も,むしろ対面授業よりその方が「ふつう」におもえてきました.研究室がなくなって指導する大学院生もいないのに,たくさんの方が受講して,さいごのクイズも全員提出していただいたことを感謝します.この講義での経験をもとに,将来,だれかひとに「やられた!」と思わせたと実感できることを祈っています.ちなみに,7月21日分の質問と回答への投票の最高得票はいずれも「なにから学ぶか」でした.江戸時代に「剣聖」とよばれた松浦静山の著作「剣談」に,「勝ちに不思議の勝ちあり,負けに不思議の負けなし」ということばがあります.これは,「勝つのは偶然(たまたま)だが,負けるのは理由がある」という意味ではなくて(じつは最初はわたしもそう思っていました...),前半は「剣術をきわめれば『勝ちたい』というような気持ちの問題ではなく,からだが勝手にうごいて勝つ」ということです.つまり,勝負は気合いではないといっています.弓道場(矢場)にはたいがい「正射必中」という額がかかっていて,これも「当てたいという気持ちではなくて,『正しく射ればかならず当たる』」ということです.ということは,そんな成功者に「どうすればうまくいきますか」とたずねるのはむだです.だからといって「うまくいかなかった」ひとにその原因をたずねるのもあまり意味がありません.たいてい,うまくいかなかった理由を把握してませんから(把握してたらとっくに成功しているかも).
《けろけろけろっぴ》 キーワードを使って自己紹介を考えることが難しかったです.あらかじめ考えていた内容だったので比較的ましでしたがやはり難しかったです.(【本文2行めは電子メールアドレスです】でも「ふつう」の会話では「あらかじめ」考えられないよね) ▼一般的にではなく,先生個人のoriginは何ですか. ▲いきなり核心をつく質問ですね.残念ながら,ここで答えてしまうともう講義で話すべき内容がなくなってしまいますので,第12回くらいまで待ってください.
《K》 キーワード自己紹介をやってみて,ルールはシンプルなのに意外と難しいと思いました.頭の体操にもなりそうなので,友達とやってみても面白そうだと思いました.(じぶんひとりでもできますよ.これが「けっこう」おもしろい) ▼コミュニーケーション能力は訓練していかないと身につかないとのことですが,先生が普段からコミュニケーション能力を磨くために実践していることはありますか. ▲べつに磨こうとはおもっていませんが,しゃべる時には「あること」をめざしています.その「あること」こそが「研究のオリジナリティー」とつながっています.
《ねこ》 今日の自己紹介でコミュニケーション能力は自分にはないなと思いました.しゃべり終わった後になって,こういう事を話せばよかったなといっぱい浮かんできて悔しかったです.会話のキャッチボール上手くなりたいと研究者がどうか関係なく思います.トレーニングしたいです.(【講義コードは「me20220414」です】キャッチボールをするには,「話す内容」か,それをつくりだせる能力が必要です.テクニックではなく,「なかみ」です) ▼大谷先生の初恋or印象に残っている恋愛のエピソードについて知りたいです. ▲《これはよくある質問です》 「初恋」の定義しだいですが,いわゆる「異性」としての意識を感じたのは高校生のときですね.誰って...氏名を公開するわけにはいきません.○○○太じゃなくて,○○子さん.
《Alarm Clock》 Today's class teaches us what a qualified researcher is and how to be a qualified researcher. In addition, the importance and necessity of originality for scientific research life are emphasized. In research life, I think that first we need to read a lot of literature and lay a certain knowledge base, and then we need to think about the direction, what to do and how to do it.(However, I don't like to just read literatures.) ▼But I have a question in this process: that is, when we draw on other people's literature to generate similar but not identical ideas, is this process considered originality? ▲In my opinion, we, reseachers, need to find "something hidden" in the literatures and results of our own, but not to follow the previous work. You will find this in the future.
《ヌメロン》 自己紹介の基礎知識を学ぶことをできました.(学ぶというか...じぶんでかんがえてもわかるのでは) ▼自己紹介や発表の際に相手の心を掴む定番のフレーズのようなものはありますか. ▲そんなん(関西弁),話のなかみによってきまる以外にないです(きっぱり).「おもしろくない話でも相手の心をつかもう」なんてめざさない方がいいです.
《北に昇る鯉》 単語を使って自己紹介をするのが難しかった.しかし,私の発表後,書かれた単語で自己紹介を考えてみたら意外とすんなりできて,普段から人としゃべったりすることは大事だなと思った.(せやろ.だけど,会話はタイミングが勝負です.じっくり考えているひまはありません) ▼自己紹介のワードリストとこれからの授業のシラバスと関係があるように見えましたが,walking, sleepingも関連性はありますか. ▲自己紹介につかってもらったキーワードのリストにあることばは,ほぼすべて講義のなかででてきます(が,内容はすこしずつ変わっていくので,「walling」と「sleeping」がのこっているかどうかは....わかりません).
《りん》 研究にオリジナリティが必要なことに納得しました.(いやいや,研究にオリジナリティーが必要であることは一種の「研究」の定義なので,「あたりまえ」です.問題はそのオリジナリティーとはなんなのか,そしてそれをどうやって手にいれるのかです) ▼オリジナリティ以外に研究に大切なものはありますか. ▲いやいや,まずオリジナリティーのある研究をしてください.それ以外にたいせつなものがあるかどうかはそれから考えてもおそくありません.
《Kanako》 私は自分が何が好きかわからなくなるので,好きなものをメモしてリストにしています.自己紹介面白かったです.(「すき/きらい」は固定されているものではなく,変わっていくものではないですか.そうでないとおもしろくない) ▼文章というお名前はプレッシャーではありませんでしたか. ▲《これはよくある質問です》 プレッシャーはありません.母が「妊娠中のぐあい(当時は産まれるまで性別はわからず動きがすくないと女子と考えることが多かった)から女子だと思っていたので,名前は『章(あき)』にする予定だったが,産まれたら男子だったので考えて『文章(ふみあき)』にした」と言っていたように記憶しています.高校生のときに戸籍をみたらふりがながついていなかった(戸籍にはふりがなをつけてもつけなくてもよい=法律的には名前は文字がすべて)ので,じぶんで「ぶんしょう」にかえました...と,こたえることにしていたのですが,一昨年(2020年)になって由来がわかりました.50年以上の疑問がとけてなみだがでました.この話はそのうち.
《ぜんざい侍》 研究に一番大切なものとしてコミュニケーションスキルというのが非常に意外でした.しかし思い返せば,教員や周りの研究者とのディスカッションなど絶え間ないコミュニケーションによって研究を進めていたと思い,非常に共感できました.また,初めに好きか嫌いか直感で答えることによって自分を表現することも大切だと実感できました.((「意外」はディジタルで,「意外/意外じゃない」の2つしかないのでは...)そう,そのディスカッションですが,それはなんのためにやるのか,これがオリジナリティーとむすびつきます) ▼大谷先生は何故若いころ髭を生やしていたんですか. ▲って,いまも生やしてますけど.ひげを生やしていたのは,学部学生から博士の学位をとるまでと,2005年から現在まで.なぜって...若いころのことはおぼえていません.2005年以降は「毎日ひげをそるのがめんどうだから」です.ここ数年は手入れをするのは2週間にいちどです.
《ricecake》 キーワードを決めて自己紹介という経験はこれまでなかったので,非常に新鮮でした.(でもそれがふつうの自己紹介です.あらかじめ自己紹介の原稿があるわけじゃなくて,はじめてのひとがいるときに会話にはいるには,まず「自己紹介」になるようなことを話すんじゃないですか.そして,そうするには話題としてのキーワードが必要です) ▼知識の伝達を全く意図しない講義をするということでしたが,科学や研究に対する考え方も知識の1つであるように感じました.授業中で述べられていた知識という言葉は,科学的に正しいとされていること,というような意味でしょうか. ▲「知識」の定義しだいですが,たとえば,事典の項目になるようなものは伝達しませんという意味です.「科学的にただしい」というあたりもあとの方の講義ででてきます.
《Sean》 About comment on the lecture, I would say that it is a little bit weird to hear a professor says that what he talked about in class are not 100% correct, and it is not something like the limit of our current scientific research, but is simply do not use the knowledge that is taught in this class. That is quite different from other lectures I took before.(That's right and please remind it!) ▼My question is how professor Ohtani designed his moustache. ▲Just as it is. It is cut to three mm in length (height) every two weeks.
《ラムネ君》 「originality」という言葉について独創性や個性というイメージが強かったので,大谷先生のような捉え方に驚きました.これからの授業がどのように「originality」に繋がっていくのか楽しみです.(せやろ(大阪弁で「そうですよね」の意味)) ▼自己紹介の時のキーワードについて,個人的には自己紹介に使いづらい尖った単語が多いように感じたのですが,もしそれがわざとならその理由,偶然なら言葉の選考基準を教えてください. ▲「とがって」ましたか...キーワードはこれからの講義ででてくるものです.ただ,各回の講義の内容は変わっていくので,ことしの講義でぜんぶがでてくるとはかぎりません.
《Aditya》 In the class I learn about the meaning of originality by Bunsho Ohtani, even I have my own meaning about originality. Also, I learn about the importance of communication skill as a researcher, which I agree with.(I interpreted the word "originality" is made with "origin" by changing to adjective and then to noun.) ▼I have a question, what is the origin means sensei? ▲That is just "the point or place where something begins, arises, or is derived". Everything has its origin. It is rather difficult to imagine, for example, a cordinate without its origin.
《そーめん》 キーワードに対してまず好きか嫌いはっきり答えると言っていたのがとても核心をついていて印象的でした.(せやろ) ▼今回の講義で使用したキーワードはどのようにして決めたのですか. ▲すでに回答しましたが,キーワードはこれからの講義ででてくるものです.ただ,各回の講義の内容は変わっていくので,ことしの講義でぜんぶがでてくるとはかぎりません.
《カルパス》 キーワードを用いた自己紹介が面白いと感じました.自分の番が来るまで,様々なキーワードの場合の自己紹介を考えていました.キーワードが限定されるため,普段とは少し異なった観点で自分のことを考えるきっかけになりました.(そう,それが一種の客観性です) ▼近年,コロナウイルスの蔓延により,学会が対面ではなくオンラインで行われることが増えました.それに伴い,学会におけるコミュニケーションの取り方も以前とは変化しているのではないかと考えております.先生がオンライン学会において特に意識していることがあればご教授お願いします. ▲偶然のであいでしょうね.オンラインの学会やセミナー,講演会は無料のことが多いので,じぶんの分野とのつながりがうすくても,それほどおもしろそうとは思えなくても,そして,ほかの日程と重なっていても登録して視聴することができます.そのなかに,偶然の発見があります.オンラインの懇親会では,ぜんぜん知らない人のグループに入ってみると,意外にもなにかのつながりがあったという経験もしました.こんなことオンラインでなければ「ぜったいに」できないことです.
《札幌少年》 昨日の授業は,研究者がするべく[ママ]ことを勉強しました.ランダムの語彙をもちいて即時の自己紹介をすることは交流の重要さを体験しました.(【講義コードは「me20220414」でそのあとはダッシュではなくハイフンです」】しらない人の輪にはいっていくには,自己紹介をかねて発言するしかないですよね.「さぁみんなで自己紹介しましょう」なんてことの方がめずらしいです) ▼大谷先生は定年しましたが,どうして学校に戻って学生さんに授業しますか.定年した後,また新しい研究を展開しますか. ▲環境物質科学専攻のなかの環境触媒科学コースに属していましたが,わたしが退職すると,コースに教授がいなくなり,4月から教授として着任する人がすぐに講義をするのはむずかしいということで,専攻長から依頼をうけて非常勤講師として講義を担当しています.
《レンズ内》 みんなの自己紹介が楽しかったです.(【講義コードは「me20220414」です】じぶんの自己紹介はたのしかったですか) ▼これからどんな授業をなされるんですか. ▲さいごにみんなが「ある思い」をいだくような講義です.
《み》 コミュニケーション能力をある程度持っていると自分では感じていましたが,あのような場での自己紹介でもう少し鍛えたほうがいいなと考えるようになりました.(【講義コードは「me02220414」です】「もうすこし」だと思うのはなぜですか,「もっともっと」じゃなくて) ▼大谷先生はインターネットが普及する以前から,多くの人とコミュニケーションを取ってきたと思いますが,現在のように人と直接会わなくてもコミュニケーションが取れることで,非常に便利になった反面で,ここは悪くなったと感じることはありますか. ▲「オンライン」ではどうしてもできない対面での議論がだいじで,コロナ禍がおわったらこの対面の議論を復活させなければならない...という妄想がはびこって,オンラインでよりよい議論ができるようにする工夫をしなくなったことです.
《すだち》 まったく自分とは関係のないようなキーワードを使って自己紹介をするときは,好きか嫌いかを言うことで成立するという先生の説明は納得のいくものでした.(せやろ) ▼しかしながら,嫌いという意見はネガティブなイメージを伴ってしまいそうで,私としてはあまり使いたくない言葉です.先生はそのあたりどうお考えでしょうか. ▲じゃあどんなことでも「すきです」っていえばいいと思いますが...
《Sさん》 会話ではなく自己紹介で自分のコミュニケーション能力がどのくらいなのかを確認したことが,初めてだったので,いい経験でした.(たぶん,もう2度とないでしょうね) ▼今回,ワードが一つ決まっていたため,ちゃんとした自己紹介が学べましたが,実際にはワードは決められていないと思いますが,その場合にうまく自己紹介するにはどういった考え方が必要ですか. ▲そんなの簡単です.どんなキーワードでも自己紹介できるように練習すればいいのです.
《こ》 キーワード指定の30秒自己紹介が面白かった.自己紹介でそのキーワードが好きか嫌いかを言ったほうが相手も興味を持って聞いてくれそうだなと思った.(そりゃそうです,じぶんがどんな人間かをしめすのが自己紹介ですから) ▼大谷先生は科学者じゃなかったら何になっていたと思いますか. ▲作家ですかね.めざすなら直木賞.
《NT-D》 急な自己紹介に戸惑いました.(で,なにか学びましたか) ▼先生の血液型はなんですか. ▲AB型でRhプラス(日本人のだいたい10%)ですけど...なにか.
《たなか》 研究や研究者に大切なことが分かった.(【講義コードは「me20220414」です】え,もう分かっちゃたんですか) ▼こんな研究者は嫌だ.どんな研究者. ▲「いやな」研究者はいません.「研究してない」ニセ研究者はいっぱいいますけど...
《mochi》 科学には正しい知識というものがあるが,研究活動を行うにあたっては自身の個性,「どのような課題を見出すのか」ということが重要だと考え,本講義の目的にもつながっているのではないかと感じた.(【学生番号がただしくありません(ずっと)】あっているような,あってないような.先入観なしできいた方がいいかも) ▼(1)自己紹介の実践には,個人のアイデンティティとはなにか,というようなテーマがあったのでしょうか.(2)また,キーワードには自己紹介に向かない単語も多かったように思えたがわざとなのでしょうか. ▲(1)まったくありません.(2)すでに回答していますが,キーワードはすべて講義のなかででくる(でてきた)ものです.
《Red》 I haven’t thought about what a researcher is, but I started to think about this through this class, and I think it’s very meaningful for the future. It will affect my behavior.(To find meaning of what you do is the starting point of reserch work.) ▼What I would like to ask is, once I have figured out what a researcher is, how can I move in this direction? ▲You have already understood what I would like to tell you in this lecture series, but you should wait to know the answer until the last part of the series.
《なすび》 英単語で30秒自己紹介するのがとても難しかったです.(では,なんでそんなことをしてもらったんでしょうか) ▼なぜ文章さんというお名前の読み方になったんですか. ▲《これはよくある質問です》 すでに回答していますが,両親は「ふみあき」と命名しましたのですが,高校生のときに戸籍をみたらふりがながついていなかった(戸籍にはふりがなをつけてもつけなくてもよい=法律的には名前は文字がすべて)ので,じぶんで「ぶんしょう」にかえました.なので,兄弟や親戚は「ふみあき」,高校生以上でであったひとは「ぶんしょう」とよびます.
《no name》 コミュニケーション能力の大切さとその難しさを肌で感じました.(で,それは「研究のオリジナリティー」とどう関係しますか) ▼いつぐらいの時期からジョブズへの意識をしたのですか,理由もあれば聞きたいです. ▲ジョブズというのはスティーブ=ジョブズでしょうか.とくに意識はしていません.スティーブ=ジョブズがわたしに似ているのではないかと言われることはよくありますが...
《パンケーキ》 This class was very enjoyable, we introduced ourselves, and everyone was selected with a keyword to introduce themselves, which was very interesting to me. I also had a little understanding of this class, and had a little interest in photocatalysis.(Why was you interested in photocatalysis?) ▼How do you balance your life and research if you're doing experiments on weekdays and you're required to work overtime on Saturdays? ▲For me, research work, even after retirement, is included in my life and life is also included in research. You will understand this in this lecture series.

《Sihao》 This class was very interesting, everyone introduced themselves to each other and chose keywords, which was a way I had never seen before, and I really liked it. And I learned what research is really about, which made me understand what I needed to do.(If you have already learnt what is reserach, you need not to attend more, but I recommend you to check whether you have already learnt or not through the following classes.) ▼Which is more important to success, hard work or luck? ▲At least for research, both are insufficient. You will understand this at the end of this lecture series.