環境触媒化学特論I(第5回/2022年5月19日)感想/質問/回答《24人出席・36人メール送信》
「光触媒がわかれば化学がわかる・化学がわかれば光触媒がわかる」と大胆なテーマでやる環境触媒化学特論I(おそらく環境物質科学専攻開講講義のうちで「化学」がはいっている2つのうちの1つ(もうひとつは「環境触媒化学特論II」))の最終年度の講義を受講していただきありがとうございました.光触媒だけではなく,化学の根幹である熱力学と速度論(動力学)のエッセンスをすこしでも伝えられたかなと思っています.おおくの受講生にとって「キラーカード」ということばが印象にのこったようです.「研究とはじぶんの主張に対するキラーカードをつぶすこと」というのはある意味で真理です.なお,「キラーカード」というのはわたしの造語で,論理学では「反証(contrary (counter) evidance)」であることをおわすれなく.では,みなさんがいい修士論文を完成されることを祈っています.
《けろっぴ》 最初の酸化チタンの部分では前に聞いた内容であまり理解できていなかったような内容も少しわかったような気がしました.後半の部分は吸着の式など覚えていなかったものが多く圧倒されました.(なんどくりかえしてきけばわかることもあります...が,いつもそうであるわけでも..)
《K》 吸着質が吸着される機構について,式を使って概要を理解することができました.(そう,式(equation)というのは,ことばであらわすことが簡単でない概念でも,きわめて明確にしめすことが可能です)
《Sihao》 Thank you for your explanation of Prof. Fujishima's paper, especially Figure 2. Prof. Fujishima once made a great speech on photocatalysis on a Chinese TV show. He gave me a deep impression, but I don't know photocatalysis. By today's class, I know his contributions to the progress of chemistry. And I need to test the adsorption property of materials because of my research, but I didn't fully understand the principle of adsorption isotherm, I got it today, Thank you!(His greatest contribution is to show the probablitiy of solar energy conversion, i.e., solar energy can be converted and stored as chemcials in thermodynamic sense, but also, nobody claim, to suggest it is very difficult to drive this reaction without application of bias, electrically or chemically.) ▼How useful is the basic theoretical knowledge in the classroom when you design the experimental plan? ▲In my way of thinking, research work goes forward by analyzing the results to obtain assumption, i.e., to explain concepually using equations. Then, what we can is to have experimental results not to design/plan.
《ヌメロン》 バッテリーの回路図で酸化チタンと白金だけでは足りずバイアス(ph[ママ]等)をかける必要があること.(そこです,ポイントは.つまり酸化チタン+白金のデバイスは,熱力学的には水を完全分解できるけど,バイアスをかけないかぎり速度論的には起こらないということです) ▼光触媒はUVと酸素が不可欠ですが,水中で利用するには難しいでしょうか. ▲酸化チタンなら紫外光が必要ですが,可視光を吸収する光触媒ならかならずしも紫外光が必要とはかぎりません.また,実用化されている反応では,酸素がつかわれますが,「酸素がないと光触媒反応が進行しない」というわけではありません.もちろん水中で利用可能です.
《Sean》 In today's lecture, we learned about what adsorption is and four isotherms of adsorption.(The main part is interpretation of Langmuir isotherm.) ▼Since you say langmuirian equation does not show anything about the characteristics of surface phenomenon, what is the characteristic of surface phenomenon? ▲What is characteristic of surface phenomena is what happens only on the surfaec.
《かなこ》 吸着等温式であるLangmuirについてよくわかりました.(【本文2行めはメールアドレスです】え,Langmuirというひとについてわかっちゃったんですか) ▼Langmuirの3つの条件は,講義で出てきた他の式においても共通している条件ですか. ▲いえいえ,まったく共通していません.3つの条件でみちびかれるのはラングミュア式だけで,のこりの3つは,「にているけどすこしずつことなる条件」で成立します.
《Alarm Clock》 In this lesson, we briefly talked about the adsorption of substances, Langmuir and BET curves, and adsorption isotherms. The main part is interpretation of Langmuir isotherm.Langmuir and BET curves are something I haven't come across before, and I think it's interesting and worth my in-depth understanding and learning.([A space is necessry after a comma and a period.] It is necessary to grasp the concept.)
《瓜》 吸着に関する4式はチャートにばらつきがあるため,すべてLangmuir式の派生であるということに驚いた.吸着現象というと活性炭による臭気の吸着ばかり思い浮かべていたが,触媒作用も吸着がベースであることを反応速度と吸着量の相関を見て改めて理解できた.(派生...というか,ラングミュア式の考え方を拡張すれば表現可能であるということです)
《New bee》 We learnt the different《difference》 between adsorption and desorption rate, and adsorption rate depends on concentration in bulk and desorption depends on number of occupied sites, we learnt three assumption of Langmuir and BET theory (abbreviated from Brunner-Emmett-Teller theory) which can be used to measure the surface area of solid or porous materials.([An English sentense must start with a capitalized letter.] Then, what did you learn?)
《ライオン》 吸着等温線の4つ並べられると,ラングミュアとフリードリヒが形状まったく同じに見えた.吸着される反応機構や式によって違いが分かった.(「ちがいがあるよ」といわれたら,「どこがちがうんだろう」と考えるのが科学です)
《NT-D》 吸着の仕組みについて,吸着質という言葉を初めて聞きました.(さよかー(関西弁).吸着室じゃなくて吸着質ね)
《五人っ子政策》 吸着の分野の理解を深めることができた.(まだ序の口です) ▼窒素吸着測定で,吸着質と吸着サイトの相性的なものは何で決まっているのですか.分子の大きさや,電子などが絡んでくるのでしょうか. ▲液体窒素温度における窒素吸着は,ほとんど気体の液体としての凝集とおなじで,吸着媒と吸着質の相互作用はファンデアワールス力です.したがって,特定の吸着サイトはなく,窒素分子が一定の吸着断面積で2次元的に凝集すると考えられます.つまり吸着媒は単に平面を提供しているだけということです.
《人間山脈》 世の中の99%の酸化チタンが光触媒反応が起こらないように作られているのは驚きました.(ほんとは何パーセントは知りませんが,酸化チタンの用途はほぼすべて顔料か他の製品の原料です)
《コリ栗の島8.0》 Several adsorption models were mentioned in this class, Langmuir adsorption model is emphasized and I know that BET is based on langmuir calculation.(A word "Langmuir" is a name of scientist and therefore should be capitalized.) ▼My question is whether the specific surface area calculated by BET is completely positively correlated with the photocatalytic performance of photocatalyst? ▲In some cases, yes and in some cases no.
《マクフライ》 吸着について詳しく知ることができて大変良かったです.特に圧力から窒素の吸着した量を求めることができるということに非常に驚きました.(いえいえ,まだまだ序の口です.圧力からもとめない場合には,吸着媒(試料)の重さをはかるというのもありますが,圧力の方が圧倒的にかんたんです)
《唐澤 貴洋》 Today I learned elements which affect the balance between adsorption and desorption, and knew four adsorption models, mainly Langmuir adsorption. It is based on three assumptions mentioned below (Q2), and from Langmuir adsorption, 3 other adsorption models can be represented under certain assumptions. Also, the adsorbate which on the surface of photocatalysts can be reacted. Under this principle, many photocatalyst applications such as air purifier, air conditioner and even photoroad.(That's right, but where is your opinion?) ▼I have the question that how are those photocatalysts paved on the photoroad protected from poisonous gases and gravity of cars driving on them? Also, the NO3- washed by rain will lead to other pollutions in the ambient soils or pools? ▲I don't know.
《Red》 Before contact with the concept of adsorption is only in the experiment the zeolite and activated carbon can adsorb impurities, I did not expect different adsorption have a variety of adsorption isotherms. By the way, the words, "adsorption" and "absorption",always confuse me.(Yes, surely confusing especially in the field of photocatalysis research where both are significant processes.)
《Aditya》 Today I understand the basics of adsorption theory and surface chemistry. Also, I learned that adsorption is very important for photocatalytic reactions.(How important for photocatalytic reactions?)
《こ》 ラングミュアの式には表面に吸着しているという特徴がないというのが面白かった.(はい,表面に存在するものの,分子のようなものとして吸着サイトを想定しています)
《ナミュールの母》 吸着等温線の名前の件で,Cに名前があるとは驚きました.(【学生番号まちがってます】え,そうなのか)
《クジラ》 様々な吸着式があり,それぞれに特徴があることがわかった.また多くの式はLangmuirの式が基になっていることは知らなかったので勉強になった.(「ラングミュア式がもとになっている」というわけではなくて,ラングミュア式の変形としてかんがえることができるということです)
《Sさん》 Langmuir式について忘れていることが多かったが,学び直すことができた.(ラングミュア式はほとんどおぼえることはありません.単純な仮定だけですから)
《Xishan》 酸化チタンと白金があるだけではなくバイアスをかけることが重要であるということ.ラングミュア式は表面上の吸着を表す式と思っていたが表面上のサイトを分子として表しているということ.(で,「Xishan」のご意見はなんですか)
《Kenny》 We mainly studied adsorption in this lesson. In the adsorption process, the substance to be attached to the surface is called the adsorbate. Material with absorption surface is called adsorbent. The adsorption process is a surface phenomenon. Desorption is the reverse of adsorption, and the adsorbed substance is released from the surface. And actually I only knew langmuir adsorption isotherm before class, now I know the other three and also have a deeper understanding of langmuir adsorption isotherm.(Why do you say "we"? Do you know the other attendees feel the same?)
《み》 ラングミュラー等の吸着についての法則を学んだ.(それって「スケジュール」みただけで書けるよ)
《mochi》 吸着という現象は物質間で相互作用が起こり,その物質同士が引き合うものという簡単な認識しかしていなかった.実験による結果を説明するには正しい仮説を立て論理的に説明する必要があると認識を改め,研究室のテーマの一つにある吸着材を理想した素材について吸着等温線の作成やその吸着減少の仕組みに触れてみたいと考えた.(【学生番号がただしくありません(ずっと)】説明した内容は,平衡(熱力学)と速度論ですから,吸着だけにかぎらずひろく応用できるとおもいますよ)
《chocolat》 熱力学的に考えているか,速度論的に考えているか,ということを意識しながら理論を学習するのが大事だということを再認識し,自身の専門分野においてもこの考えを適用できそうな部分を発見できたので,この点を頭に入れながら学習し直したいと考えています.(そこ,とてもだいじです.吸着にかぎらず,応用可能だと思います)
《木目》 本日も興味深いお話ありがとうございます(それって講義の感想ですか) ▼苦手な分野はありますか. ▲閉鎖空間にはいることを必要とする分野,たとえば洞窟探検とか...は苦手です.閉所恐怖症なので.
《黒猫ヤマト》 「酸化チタンの光触媒反応凄い!」と以前の講義で思っていたので,まさか99.9%の酸化チタンが,光触媒反応を起こさないようにされているなんて驚きました.逆に0.1%分でも多様な用途に使われているので,酸化チタンが非常に沢山世の中に出回っているのだとも思いました.酸化チタンをはじめとして光触媒において,吸着材が吸着質を吸着することが非常に重要だということでした.特に,吸着についてラングミュアの式は重要だということでした.ラングミュア式は表面の効果を書いているわけではなく,吸着サイトと異種分子間の効果を示している,というのは「なるほど」と思いました.(ほんとうに99.9%かどうかはしりません)
《ちょび》 ラングミュア式には吸着をあらわす部分はなく,表面上の吸着サイトを分子として仮定してらということがわかってなるほどとおもった.(いやいや,吸着という現象を,吸着サイトという分子と吸着質という分子の複合体ができるとかんがえている,ということです)
《ちくわ》 吸着剤が吸着質を吸着するのですね.逆だと思ってました.(せやろ)
《そーめん》 酸化チタンによる光触媒反応が塗膜を分解してしまうため,光触媒反応起こらないように作られているものがほとんどであるということにとても驚いた.(せやろ)
《りん》 Langmuirは全てのサイトの質が同じと仮定しているあたりが理想系な感じがしました.実際のところ,(Langmuirは人名なので頭文字は大文字です.たしかに理想的ですが,実験データから導いた式が,じつは理想的だった,ということです) ▼サイトの質や一つのサイトが一つのサイトと反応するのは全体の何割くらいなのでしょうか ▲「一つのサイトが一つのサイトと反応する」ってどういう意味ですか.
《5つのドラゴン》 In this class, I learned the variable relationship of the four adsorption isotherms and how to deduce the Langmuir isotherm. By deriving the formula, I can better understand the relationship between the variables. When we cannot directly measure the value we want, we can indirectly measure it through the relevant environment.(【講義コードは「pc20220519」です】That's true, but that is the common general way of scientific studies.)
《札幌少年》 今日はまずfujishima教授の太陽能を化学能を転換する研究(UV,酸化剤が必要)を知りました,そして吸着とは何か,4本の等温線を勉強しました.さらに今日はまずlangmuirから推測した吸着に関する4式を習いました.(日本語では「太陽光エネルギー」「化学エネルギー」です)

《流し満貫》 吸着現象を式を用いて理解することが出来ました.(はい,その「式」がもつ意味を考えることです)