環境触媒化学特論I(第6回/2022年5月26日)感想/質問/回答《24人出席・37人メール送信》
「光触媒がわかれば化学がわかる・化学がわかれば光触媒がわかる」と大胆なテーマでやる環境触媒化学特論I(おそらく環境物質科学専攻開講講義のうちで「化学」がはいっている2つのうちの1つ(もうひとつは「環境触媒化学特論II」))の最終年度の講義を受講していただきありがとうございました.光触媒だけではなく,化学の根幹である熱力学と速度論(動力学)のエッセンスをすこしでも伝えられたかなと思っています.おおくの受講生にとって「キラーカード」ということばが印象にのこったようです.「研究とはじぶんの主張に対するキラーカードをつぶすこと」というのはある意味で真理です.なお,「キラーカード」というのはわたしの造語で,論理学では「反証(contrary (counter) evidance)」であることをおわすれなく.では,みなさんがいい修士論文を完成されることを祈っています.
《けろっぴ》 反応速度式を光触媒反応に適応していくのが難しかったです.(はい,そのとおり)
《唐澤 貴洋》 Today I revised the knowledge about absorption and basic reaction kinetics, and found the similarity between Boltzman distribution and Arrhenius equation.(【The lecture code is "pc20220526".】Finding similarity is one of the best methods of research work.)
《Sihao》 Today I learned about the equation behind the adsorption curve, the mathematical meaning of the curve, and why such a curve appears. And reviewed a lot of high school knowledge and reminded me of many interesting things in high school.(Are those your high-school knowledge?) ▼Teaching others knowledge is far more difficult than understanding knowledge. How do you make your lectures so easy to understand? ▲It should be remidnded that the meaning of understanding is that you can teatch it to the others. In other words, if you cannot teach and make the others understand, you have not understand.
《カレー》 化学反応の反応速度が濃度に比例しているのは分子同士の衝突回数が増えるからという説明書きを高校の教科書で見たきがするので帰省した際には確認したいと思った.(そして,もし高校の教科書におぼえていたとおり「衝突回数がふえるから」と書いてあったらどうしますか)
《シャ》 興味深いお話でした.(さよかーーーー)
《6つのメデューサ》 Today, I learned kinetic analysis of photocatalysis.The basic reaction rate formula is not difficult, but deriving the relationship between the concentration change and time of multiple reactions becomes complicated.(【The lecture code is "pc20220526".】Yes, but the concept seems simple.)
《NT-D》 BETの実験装置が完全密閉されているのに測定できるのが驚きでした(えーーーーーっ,たいがい密閉されてるよ)
《Alarm Clock》 Today I learned the knowledge of absorption and basic reaction kinetics and the meaning of adsorption curve, why such a curve appears, and the meaning of the curve. It feels good to me to learn something new.(Not "aBsorption", but "aDsorption".)
《瓜》 原料が2種以上の時は原料同士の衝突確立[ママ]が増えることで,1種の場合は同じ分子同士が衝突することで活性化エネルギーを得ているために反応速度は濃度に比例すると解釈していた.しかし実際は,活性種の存在比率が大きくなるからであるというのは勉強になった.(いやいや比率はかわりません.活性化エネルギーをこえる高いエネルギーをもつ分子の「割合」は,一定温度なら濃度にかかわらず一定なので,濃度があがればそれに比例して高いエネルギーをもつ分子の「数(あるいは物質量)」がふえます)
《K》 ラングミュラー式の前提条件や導出は忘れてしまっていたので,しっかり復習しようと思いました.(「ラングミュア」です.そして,復習しましたか)
《コリ栗の島8.0》 I also remember when i was in high school that for general reaction, the higher the concentration of the reactants, the more likely they are to collide with each other, which speeds up the reaction. But this was learned along with the equilibrium state of the reaction, and it feel like there's a little bit more detail that I don't really remember. But I think the reaction rate equation should be more complicated to apply to photocatalytic reactions, because it's not just going from a+b to c, some more complicated reaction in it. That's just my opinion, I don't know if it's right or not.([Plase a space after a period/comma. "I" must be "I" everytime.] At least I can say, thinking wheter the rata equations are complicated or not does not make sense.)
《胡瓜》 アレニウスの式について詳しく学べました.(そんなにくわしく話したかな..)
《New bee》 Today we reviewed Absorption ISotherm and Langmuir Eq, I learned in high school that reaction rate is related to the properties and concentration of reactants, temperature, pressure, catalyst, etc. But didn’t learn the principles behind it like today.(Everything has its principle and, I think, this must be taught in high school.) ▼So the way to measure the rate of photocatalytic reaction is to measure the change in concentration directly, or to measure the rate of reaction by measuring other properties of the substance? ▲I will interpret the principle of "reaction rate" soon.
《ライオン》 前回の授業のときは「なんとなくわかった」気になっていたが,今回はきちんとラングミュアの3つの特徴を覚えた.(特徴...仮定じゃなくてですか)
《流し満貫》 原料の数による反応速度の算出の仕方を式と説明で理解できた.(原料の数...ですか)
《マクフライ》 反応速度式が濃度に依存するのは今まで分子の衝突頻度と関連があると思っていましたが,今回の授業で活性化エネルギーを超えるエネルギーをもつ分子の数が増えるからと知ることができました.このようなことを知らなかったのは化学者として恥ずかしいです.(衝突頻度と関係はありますよ...並進速度がはやければ衝突頻度があがりますから.しかし,衝突頻度は結果であって,並進エネルギーの大小がすべてです)
《Sさん》 光触媒反応における反応速度式を考えるのが難しかった.(せやろ)
《Red》 The BET’s device uses nitrogen adsorption and desorption to manifest material properties, which surprises me. I’m like, how did they come up with this!(Ther term "BET" is the name of isotherm but not a name of an instrument to be used for nitrogen adsorption.)
《六人っ子政策》 A→Bの反応のところがよく分からなかったです.(...といわれましても)
《Aditya》 Today I am refreshing my knowledge about the basic adsorption thermodynamics and basic kinetics.(That's the fundamentals of fundamentals.)
《Kenny》 Today I learned the basics of molecular kinetics today, which can help me better understand the adsorption curve and photocatalysis. When the concentration is high, the molecular collision frequency will increase, and the more important thing is that the number of molecules which holding energy higher than activation energy will increase.(I don't know whether you understand the kinetics correctly or not.)
《かなこ》 復習も取り入れていただきわかりやすかったです.濃度に比例する反応速度や化学触媒の反応速度について学ぶことができました.(さよかー...だけど,ふつうはじぶんで復習するもんだよ,講義ってのは)
《こ》 濃度が高くなると速度が速くなる理由について考えたことがなかったので,確率の問題というのに驚いた.(いえいえ,確率というか割合は温度が一定ならおなじで,濃度が高くなると,活性化エネルギーより高いエネルギーをもつ分子の「数/物質量」が増加するということです)
《Xishan》 アレニウスの式は知っているだけだった.解説を聞いて理解することができた.(「ほんまに」ですか)
《もち麦》 光触媒反応の反応速度式,濃度には比例しないことから考えるのがかなり難しかったです.(でも,単純に比例するはずがないからしかたないです)
《Sean》 In today's lecture, we learned about the BET isotherm, and reviewed general reaction kinetics.(Why do you use "we" not "I"?) ▼The comparison of four isotherm, is it acceptable to say that BET is the most realistic isotherm? ▲That MUST depend on the definition of "realistic". Almost all the liquid phase adsorption can be reproduced by the Langmuir equation, but nitrogen adsorption on a solid can be analyzed using BET equation.
《亮平》 吸着サイトについてしっかり復習が出来て良かったです.(じゃあ,速度論の基本という今回の主題はいつ復習するんですか)
《mochi》 吸着と脱離のような物理的な要素とエネルギーの要素のどちらを考えねばならないのかわかっていなかった.常にキラーカードとなる状態を考えなくてはならないのか,道筋立てて考えればわかることなのだろうか.(【講義コードは「pc20220526」です.】え,なんの話ですか)
《chocolat》 反応速度式中に濃度が出てくるのは分子の衝突確率だというイメージがあったため,以前に比べて速度式のイメージがより明確になりました.(イメージねぇ..)
《み》 ラングミュラー等の吸着についての法則を学んだ.(いやだから「ラングミュラー」じゃなくて,「ラングミュア」なんだってば)
《黒猫ヤマト》 濃度と反応速度の関係を考えた時に,活性化エネルギーが関係してくることを知った.確かによく考えたら,量が増えた分エネルギーが高い状態の分子も増えるのは当然である.速度論と熱力学を別に考えるのではなく,同時に考えていく必要を感じた.また,光触媒反応は普通の反応と違い吸着したものとだけ反応するから,濃度には関係しないようである.(だって速度定数は活性化エネルギーと関係づけられているから当然のことかと.なお,光触媒反応の速度も濃度と関係しますが,溶液中の反応のように比例するというわけではない,ということです)
《アルバス》 教科書にのっているような基本的な化学反応の反応速度を考えるのは単純に考えることができたけれど,光触媒反応の反応速度を考えるのは難しいです.(せやろ...だけど,大学院における研究は,基本的な化学反応速度だけで解決するわけではないと思うよ)
《ヌメロン》 研究で窒素吸着を使うかもしれないので,大気圧を考慮して測定していきたい.(そうねぇ...さいきんの装置はどんな計算をやって結果を表示しているかわからないので,たぶん大気圧を測定しても入力するところがないと思いますよ)
《そーめん》 反応速度式について,原料同士の衝突確立[ママ]や活性エネルギーが関わっていることを理解した.(衝突確率...なっていってませんよ)
《札幌少年》 Today's topic is photocatalytic kinetics analysis. The restriction conditions of reaction speed in photocatalytic reaction, including substrate concentration, temperature and activation energy, are described, and their correlation is pointed out. Finally, reaction time and PS were also discussed: it was really useful to review the understanding of the formula of the isotherm hypothesis in the last class.(Are those useful for your master-thesis work?)
《りん》 最後の質問騙されました.もう少し考えて答えようと思います.(せやろ) ▼経験則から式を導き出すアレニウスは天才ですか. ▲物理化学や材料科学の論文というのは,たいがいそんなものだと思いますよ.あれ,「りん」さんはこれまでの研究を「なぞって」るだけなんですか.

《犯罪心理学》 反応速度が濃度に比例するのは衝突する確率が上がるからだけだと思っていました.(たしかに2分子反応ならそれはそうかも...ただ,それは解釈の問題.いずれにしても単分子反応ならそれは成立しません)