環境触媒化学特論I(第7回/2022年6月2日)感想/質問/回答《19人出席・36人メール送信》
「光触媒がわかれば化学がわかる・化学がわかれば光触媒がわかる」と大胆なテーマでやる環境触媒化学特論I(おそらく環境物質科学専攻開講講義のうちで「化学」がはいっている2つのうちの1つ(もうひとつは「環境触媒化学特論II」))の最終年度の講義を受講していただきありがとうございました.光触媒だけではなく,化学の根幹である熱力学と速度論(動力学)のエッセンスをすこしでも伝えられたかなと思っています.おおくの受講生にとって「キラーカード」ということばが印象にのこったようです.「研究とはじぶんの主張に対するキラーカードをつぶすこと」というのはある意味で真理です.なお,「キラーカード」というのはわたしの造語で,論理学では「反証(contrary (counter) evidance)」であることをおわすれなく.では,みなさんがいい修士論文を完成されることを祈っています.
《こ》 光の粒が流れくてくる速度が光束(photon flux)で,吸着されたもののみ反応するということが学べた.(そう,その光束という概念が重要です)
《K》 今回は式やグラフが多く出てきたので,イメージをもちやすかったと思います.光触媒反応の速度を決める要因は光束であるということも理解できました.(なるほど...ただしほんとうの理解というのはテキストですので,そのことをおわすれなく)
《New bee》 Today we learnt steady-state approximation, this includes setting the rate of change of the reaction intermediate in the reaction mechanism to zero so that the kinetic equation can be simplified by setting the rate of formation of the intermediate to its rate of destruction. The approximation means life time of an intermediate, e-h, is small and its concentration is constant during the reaction.(Who are we? One of the most significant points in steady-state approximation is the constant concentration of a reactive intermediate can be achieved automatically without any limiting conditions.) ▼My question is what is the difference between an intermediate and a steady state approximation? ▲An intermediate is substance and the steady-state approximation is a concept.
《Sihao》 Today' class, I learned time course curve of a reaction. I think the curve is very good, it can help us to understand more much about reaction, such as the concentration change of substance A, the rate change of reaction and so on. And the first order kinetics let me remember the second and third order kinetics. Rate determining step, how to calculate Ea are very important fundamental acknowledge I think. The most important thing is that I understand the meaning of steady-state approximation. Thank you for today's class.(What I talked about was the meaning of the first-order kinetics, but not its equation.) ▼I have learned a lot of knowledge, but I forget it after a few months of use. How do you keep remembering and deeply understanding this knowledge? ▲That may be an ordinary thing for us. If you want keep that, it is necessary to remind every few months.
《唐澤 貴洋》 Today I revised the 3 principles of Langmuir absorption, learned the first-order absorption and the model of rate-determining step in the photo absorption, and most importantly, the steady-state approximation of photocatalysts and calculate the equation by ourselves.(Those are not principles, but assumptions.)
《ポプラのわた》 光触媒電極による第一級アミンの酸化を今実験で取り扱っており,電極はスパッタリングやメッキの手法を用いていて,光吸収効率について何も考えていなかったのでその値がぶれないか心配になりました.(【学生番号まちがってます】固体の場合には,吸収係数のほかに,反射率の問題があり,表面が平滑でない場合には散乱した光がべつのところで吸収されるかどうかも関係してくるので,実際の吸収効率をもとめるのはむずかしいところです)
《ハクィのテンスィ》 面白かったです(どんな風におもしろかったんですか...定常状態近似) ▼先生は難しいと思わないですか. ▲まったくおもいません.
《かなこ》 反応が定常状態とみなせるようになるという,定常状態近似についてよく理解できました.光の粒がどのくらいの速度で系内に入るかが光束とおっしゃっていましたが,よくわかりませんでした.(光のつぶを「光子」といいます.光子は物質量(モル)ではかることができますので,単位時間(秒)あたり何モルの光子が反応系内に入射するかを実測することが可能です)
《7頭の馬》 Learned today, first-order kinetics of photocatalytic reactions and what is the rate-determining step . What‘s more,I understood what the steady state approximation means . But it's a bit difficult to understand at once.(【The lecture code is "pc20220602".】Really? Was that a first time to learn them?)
《Alarm Clock》 Today we learned the three principles of Langmuir absorption, the first- order absorption and the speed-limiting step model in light absorption. I have benefited a lot, although there are some things I don't quite understand, I will try to inquire about materials after class.(Please do so, but that is an ordinary way of study.)
《けろっぴ》 反応律速等の内容が分かりやすかったです.(「律速段階」ね)
《りん》 光触媒反応でeとhが独立的に反応していると考えていました.(それは単なる仮定です) ▼ペアとして機能すると考えたのはなぜですか. ▲その方が式が簡単になるからですが,わかれて反応していることをしめす実験事実もありません.
《瓜》 光触媒反応は連続反応でなく,電子正孔が反応するか再結合するかの2パターンになるため律速段階がないということが分かった.(その理解がだいじです) ▼光を吸収する速度が光触媒の反応速度を決定づけるとのことでしたが,吸収速度を向上させるアプローチ方法はどういったものがあるのか気になりました. ▲簡単じゃないです.あとの方の講義でそのはなしがでてきます.
《ぶぁーふぁ》 最近の新しい物質は全部難しい反応経路を辿ってるのではないかと勝手に思ってたので,光触媒もシンプルな過程で反応が起こってることがわかった.律速段階を理解することが大切だ.(いやいや,「光触媒反応には律速段階がない」ということがだいじです)
《きゅうり》 図が多くわかりやすかったです.(それって,「わかったつもり」かも.ほんとうに理解したら「ことば(テキスト)」で説明できるはずです)
《Sean》 In today's lecture, we reviewed reaction kinetics and finally started to talk about reaction kinetics of photocatalysis.(Who started to talk?) ▼My question is that is it ok to say the mechanism of solar panel is also photocatalysis? ▲No completely different. No checmical reaction proceeds in solar panel, except for dye-sensitized solar cells.
《Kenny》 Today I learned first-order kinetics. And as Ea determines the rate-determining step, I have a deeper understanding of Arrhenius equation.(How about "steady-state approximation"?)
《ヌメロン》 光触媒の活性化エネルギーの低さにより,吸着や脱離のステップがないことに納得した(えーーーと,ちょっとちがうかなぁ) ▼光触媒は吸着物の炭化等による劣化はないのでしょうか. ▲炭化はおもに還元条件での熱処理でおこります.通常の条件は空気中,室温の条件ですから炭化はおこりません.
《黒猫ヤマト》 光触媒反応の反応速度についての授業だった.生成速度と分解速度が互いに同じくらいになることで濃度の変わらないポイントが自動的に発生する,というは言われればなんてことないが,初めて聞いたので「なるほど」と思ったし面白く感じた.(なんてことないよねー.「なるほど!」っていうのはだいじなポイントです.それは,「黒猫ヤマト」さんでも思いつけたということです)
《Aditya》 Today's I just learned about the kinetics term for the photocatalytic reaction and the important step of the photocatalytic reaction.(What is the important step for photocatalysis?)
《NT-D》 今日は律速段階が出てきて,高校や大学で得た知識が役に立って良かったと思いました.(いやいや,律速段階の概念では光触媒反応の速度は理解できないと言ったんです)
《七人っ子政策》 光触媒は不思議なことがおおいなと感じました.最後の部分は重要な話のように思えたのですが難しかったためもう一度聞いてみようと思います.(【講義コードは「pc2202602」です】ふ・し・ぎ ですか...さいごの定常状態近似はとてもだいじですよ)
《Red》 In the lecture, I learned how to use d[intermediate]/dt = 0 to approximate the reaction rate in photocatalysis, it's different way of thinking compare with the normal chemistry.(It might be, but that's the truth.)
《Sさん》 光触媒反応には律速段階が無い事が理解できた.(せやろ)
《chocolat》 光化学反応では活性化エネルギーが低いことから律速段階が定義されず,反応速度は別のアプローチから考えているということを学びました.(せやろ...で,どんなアプローチですか) ▼この講義で光束という概念をはじめて聞きました.光束は光の強度とは少し違った概念であるように感じましたが,数に着目しているかエネルギーに着目しているかという違いなのでしょうか. ▲そのとおりです.
《もち麦》 光触媒の反応速度でとrate of decreaseが速くなりrate of increaseと同じくらいになり反応性が高くなるという説明がわかりやすかったです.(「おなじくらい」じゃなくて,「おなじ」です)
《Xishan》 光触媒には律速段階がないなど一般的な反応とは異なることが多く,それを比較して学べるので面白い.(まぁ...そうともいえる)
《コリ栗の島8.0》 Photocatalytic reaction is not continuous, is process of electron hole formation and recombination, and there is no reaction speed limit, so the photo flux has a decisive effect on the photocatalytic reaction, It make sense to think so, but different from my previous opinion, a little surprised.(The term "series", not "continuous" is used.)
《流し満貫》 学部時代苦手な内容だったので復習します(さよかーー)
《mochi》 量子収率,反応速度に関わるパラメータについて学ぶことができた.今後,反応時間などを考える上で生かすことができるのだろうか.(量子収率って話したっけ.「活かす」かどうかは「mochi」さんしだいです)
《ぷち》 光触媒反応には律速段階がないことがわかった.(それだけですか..)
《そーめん》 今回の講義では今まで学んできたことが光触媒反応に結びついていて面白かった.(さよかーーー)

《マクフライ》 光触媒反応が律速段階をもたないのは,普通の化学反応のような連続的な反応でなく,電子正孔が反応するかもしくは再結合するかの2パターンによって進行していることによるものだと分かった.(はい,それを並行反応(parallel reaction)といいます)
《亮平》 反応に関する現象について詳しく知ることが出来て勉強になりました.(...といいますと)
《ピカチュウ》 難しいなと思った.(たいがいのものはむずかしいです.かんたんなのは「本物」か「まっかなにせもの」のどちらかです)
《札幌少年》 今日1番印象深いなのは穏態近似の性質です.以前の勉強に知っていた中間体の濃度は恒常性があると了解し,反応にとわず反応速度を計算することができます.(【本文2行めは電子メールアドレス】「定常状態近似」です)