環境触媒化学特論I(第13回/2022年7月14日)感想/質問/回答《16人出席・35人メール送信》
「光触媒がわかれば化学がわかる・化学がわかれば光触媒がわかる」と大胆なテーマでやる環境触媒化学特論I(おそらく環境物質科学専攻開講講義のうちで「化学」がはいっている2つのうちの1つ(もうひとつは「環境触媒化学特論II」))の最終年度の講義を受講していただきありがとうございました.光触媒だけではなく,化学の根幹である熱力学と速度論(動力学)のエッセンスをすこしでも伝えられたかなと思っています.おおくの受講生にとって「キラーカード」ということばが印象にのこったようです.「研究とはじぶんの主張に対するキラーカードをつぶすこと」というのはある意味で真理です.なお,「キラーカード」というのはわたしの造語で,論理学では「反証(contrary (counter) evidance)」であることをおわすれなく.では,みなさんがいい修士論文を完成されることを祈っています.
《亮平》 有機化学を専攻していたのですが,無機化学の専攻の方たちは組成を分析しないことに驚きました.(はい,有機化学者はおこってもいいと思いますよ.だけど,有機化学の分野でなぜ同定することが必須になったかといえば,それは同定しないで,あるいはあやまった構造の報告があったために混乱が生じたことが原因であることはまちがいありません.無機固体材料の分野では,そんな混乱だらけということです)
《Sihao》 Thanks for today's lecture. I don't fully understand how to count how many molecules are in a unit cell. I don't fully understand how to count how many molecules are in a unit cell. But I learned how to download the structure of the unit cells, which look beautiful, I'm going to download some to enjoy.(Not a molecule, but a minimum unit such as "TiO2".) ▼Would you let your loved one get in the rain? ▲I don't fully understand the meaning of your question. Anyway, is that related to X-ray diffraction?
《瓜》 XRDで得られた結晶に関する情報は,あくまで「その構造を含む」という意味であることを意識していきたいです.(はい,それをデフォルトにしてください) ▼Rietveld解析という手法があることを初めて知りましたが,組成を見積もることができることは凄いなと思いました. ▲はい,すごいです...が,もちろんたくさんの仮定がふくまれています.それは,未知の非結晶相のX線吸収係数が結晶部分とおなじであるということで,現実的にはちがっているとおもいます.
《の》 結晶構造について,復習できた部分と,新しく知れた部分があってよかった.濃硫酸に溶かしてTi量をはかるのが気になった.(濃硫酸ではなく,「熱濃硫酸」です.これはすごいです.亜硫酸ガス(SO2が多量に発生してとんでもないことになります.ちかくにいるひとの咳がとまらない...ちなみに,酸化チタン結晶を溶解させるのは簡単ではありません)
《ヌメロン》 酸化チタンの結晶構造による結合の違いについて確認できました.(結合...そんなこと話したっけ)
《けろっぴ》 資料のアモルファスの量を,別の追加した結晶の検出割合から求められるというのはとても面白かったです.格子に関しては,何回も復習していただいたおかげで理解できるようになりました.(だけど,そのくわえた物質(内部標準試料)の純度がわからないと決定できません.そしてそれはきめようがありません...よくかんがえてみると,どうすれば結晶の純度をもとめられるかがわからないということです)
《Alarm Clock》 Thanks for today's lecture, how to count how many molecules are in a unit cell, how to determine the structure of the unit cell, I think this is very useful and very basic and should be mastered.(Do not misunderstand that "TiO2" is a molecule.)
《New bee》 Thank you very much for professor teaching today. Through today's lesson, we understand how to determine the structure and content of crystalline. And I think the imaging principle of X-ray should be more interesting, I will learn it by myself.(Who are "we"?)
《らんべる飛べーる》 ミラー指数はたくさん復習したのでマスターできた.立体構造を考えるのはパズルみらいで面白かった.(XRDの「はなし」どうだったんですか)
《ぶぁーふ》 XRDで結晶構造解析はやってますが,アモルファスがあったときはその結果が信用できないということがわかった.非結晶成分はパターンが出てこないことを知ってよかったです.(そもそもXRDだけでアモルファスを含む非結晶成分があるかどうかさえわかりませんが,経験的にはたいがいあります)
《あんこ》 研究でXRDを使うことも多いので,XRDの情報が全てではないことを頭に入れておきます.(はい,むしろ結晶以外の成分がだいじな役割を演じていることもあります)
《マクフライ》 イオン半径の比と取ることのできる結晶構造の図が分かり易く,TiO2が八面体構造を取る理由がよくわかりました.(さよかーーー)
《そーめん》 1500回も引用されている酸化チタンの組成を決める式が間違っていたことに驚いた.(はい,でも「まちがってる」ことをしっているのは,わたしとわたしの論文を読んだひとだけです)
《唐澤貴洋》 Today I learned the crystal structure and how to count the number of each kind of atom in a monocrystal. And the shape of crystal is defined by coordination number rc/ra Also I knew the working mechanism of XRD.(【The second line of email body MUST be email address.】There is no such term, "monocrystal". That is called "unit cell".)
《折耳 鼠》 Today I learned how to calculate the unit cell molecules and determine the structure of the unit cell.I understand why TiO2 has an octahedral structure. ratio of ionic radii of Ti4+ and O2- is 0.536. Learned a lot, thank you very much for your teaching.(Don't misunderstand that "TiO2" is a molecule".)
《Liu Xiyang》 Today's lecture reviewed Miller index and continued on crystal structure and elemental analysis, XRD is also mentioned. (which is the equipment I use most frequently in current research topic)(If so, you should remind that the XRD results tell you the crystalline parts only.) ▼My question is as you mentioned that the size of ions in ionic crystals cannot be determined, I did not know the method to measure the size of ions in crystals, but size of different ions are clearly stated on the internet, how is that possible if size of ions could not be measured? ▲As I interpreted, the size has been determined, in conveniece, by assuming the size of oxygen anion (O2− to be 0.14 nm.
《味噌スープ》 以前学生実験で合成した化合物のXRDの結果を見せて頂いたことがあり,当時はXRDについて殆ど知らず標準試料との比較のみで目的の化合物が合成できていなかったと判断していました.その実験では合成が失敗した要因となりうる操作が特定できなかったこともあり,化合物が結晶でない形で存在しているという可能性を考えるべきであったと感じました.今後このようなことがないように,現在使用している測定機器に関して得られる情報の範囲を明確にしながら原理を学び直します.(たしかに,組成としてはあってるけど,結晶化していないという可能性はゼロではありませんが,結晶化した方が安定(エネルギーがひくい)であるため,たいていは一部は結晶化します.逆にいえば,たとえば,酸化チタンの合成条件をかえて,アナタースやルチルのピークがまったくあらわれないものをつくるのは簡単ではありません)
《K》 XRDは非結晶部分の割合などはわからず,結晶部分の情報しか得られないということがわかりました.結晶部が多いと硬い,非晶部が多いと柔らかい,というように物性に違いが出ることもあるので,非晶部の割合を見積もることで分かってくることもあるように感じました.(「やわらかい」というのがどのように測定するものか...そんな単純なはなしではありません)
《Sさん》 結晶構造について,復習できた.XRDについてもともと使っていたが,新しく知ることがたくさんあった.(「つかったことがある」というのは一種のアルバイトしごとで,「つかいこなす」っていうのが研究です)
《13人っ子政策》 昔学習したことをもう一度学べて良かった.嘘の論文がたくさん引用されていて驚いた.(いやいや,それを知っているのは,わたしとわたしの論文を読んだひとだけです)
《NT-D》 大学生時代の先生もVESTAが一番良いとおっしゃっていたので懐かしさが込み上げました.1957年の式で1.26の部分がなんかちょっとわからないけど実験的に求めたのは,優秀な学者ゆえなのかなと思いました.(せやろ...『1.26』という値をつかって組成をもとめるようなことを「経験式」といいます.いまとはちがって,当時は理論的な裏づけはともかく,実験によってなんらかの結果をもとめて,それをもとに議論するというのがふつうだったと思います)
《コリ栗の島8.0》 Thanks a lot for today‘s class and learned a lot. XRD is particularly used in the field of materials analysis. I remember I used the Scherrer formula to calculate the average particle size of crystals before, and I don't seem to have covered it today.(【「知っている」は不要です】There is also a long long story for Scherrer equation for crystallite-size analysis.)
《zheng》 XRDの結果は結晶になっているものだけであり,結晶じゃないものは出てこないということ.粒子サイズが小さくなるとアモルファスの割合も増えること.(前半は真理,後半は経験です)
《黒猫ヤマト》 XRDについての説明を聞いて,やはり便利な装置だと思いました.自分の研究は有機合成が主だったため,まだ研究などで使ったことが無いですが,今後結晶を取り扱うことがあれば是非使ってみたいです.(有機分子であれば,単結晶X線回折ですね)
《ねこ》 XRDで得られた解析結果には,結晶でない形で存在しているものは含まれないということを知りました.いろいろな解析には多くの仮定の上でやっと測定できるものが多いと思いました.だからこそ,その測定で得られた結果だけでは足りなくてその結果が正しいかどうかの実験も必要になってくるのだと思いました.(ほとんどすべての測定はなんらかの前提(仮定)のもとになりたっていますから,それをしらないで測定結果を解析することはできません)
《たろう》 嘘の論文を引用しないようにしたい.(正確にいうと「うそ」ではなくて,「解析が適当ではない」だけですが,そうであるこは簡単にはわかりません)
《Aditya》 Today's lecture refreshed me about the theory of unit cell in crystal structure and the characterization of the crystals using X-ray diffraction patterns.(Then, what will you do?)
《れい》 XRDを考えたブラッグは天才ですね.(いえいえ,ブラッグは回折の原理をしめしただけで,X線回折測定そのものをかんがえたわけではないんじゃないかな) ▼XRDで被爆することはありますか. ▲むかしはありえましたが,いまは安全装置がついているので,通常の測定で被爆することはないかと.
《kanako》 無機物質である場合,x線[ママ]解析だけで構造と構成元素がわかるということに驚きました.(【本文2行めは電子メールアドレスです】わかるけど,それは結晶部分だけです)
《Kenny》 Today we learned about atomic crystal structure and XRD, which is a relatively common research tool in the subject of catalysis. It felt good to have a deeper understanding today.(Who are "we"?)

《徹夜》 ためになるお話ありがとうございました.(これもまた「どんな内容の講義にもつかえるコメント」ですね)
《流し満貫》 XRDのデータの取り扱いに注意したいと思います.(それは,どんな分析機器でもおなじですよ)
《Red》 In this lecture, I saw the microstructure of titania and the way they are connected. Although there are diagrams, it still requires a lot of imagination to understand, and I think it’s very difficult.(Yes, imagination based on the fundamental knowledge is necessary.)
《札幌少年》 XRDの研究は,となりのラボの鉱物研究によく見えました.なお,x線[ママ]で吸収度を測ることは他の研究にもあります.でもなぜ有機物の結晶を測らないかと,やっぱり鍵の形が別々だと思いますね((意味不明))
《み》 今回の講義は結晶構造に関することが多く理解が追いつかないところもありましたが,無機分野に関することを学ぶ授業が少ない気がしているので,新鮮でした(さよかーーー)