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■ 2025年11月15日・《1325》Chemical Communication 3  0
イギリス化学会(Royal Society of Chemistry)が発行するChemical Communicationから電子メール.これまで最大4ページ以内であったページ制限を5ページ以内に変更すると.そうなのか,とメールをよく読んでみると,謝辞や利害関係者,著者の貢献と引用文献などをのぞいてメインの部分が3ページ半になったということであった.さいきん投稿して(リジェクトされてPCCPにトランスファーした)論文は,メインパートで3ページ半弱だからほとんどかわらない.なんのこっちゃら...
■ 2025年11月14日・《1324》朝イチ 1  0
キム=ユジン「朝イチの『ひとり時間』が人生を変える」(Kindle Unlimited)読了.「アメリカ弁護士試験合格をはじめ,次々に目標を達成した奇跡の朝時間活用法を大公開!+動画累計再生1,000万回超の大人気『YouTuber弁護士』が贈る人生が変わるモーニング・ルーティン!」というのはよみおえてから知った.そもそも著者が女性であるというもとちゅうまでわからなかった.4時半に起きるという著者の「強み」は早起きができるということではなく,「じぶんのことをじぶんできめる」であるような気がする.たくさんの成功者の「早起き話」がのっているが,早起きしない成功者もいるはずかと.それはともかく,わたしも朝の2時間くらいはひとりでいる現状を気に入っている.
■ 2025年11月13日・《1323》 犬 6  0
ながらく愛用してきたメガネケースは2017年に博士論文の審査のためにマドリードへ出張したときにプラド美術館で購入したもので,ゴヤの「砂に埋もれる犬」(...とよばれているだけで,ゴヤは一般公開するつもりがなかったのでタイトルはない)でメガネふきもおなじ.残念なことに「ちょうつがい」がこわれてしまったのでつかうのをあきらめようとしていたが,ググってみると,セリアで売っているメガネケースにほぼおなじちょうつがいがついていることが判明.さっそく買ってきて,破損していた「C」型のバネ2個をつけてちゃんと復元できた.しばらくつかえそう.イメージは左から,メガネケース/ひらいたところ(「MUSEUM DEL PRADO」とある)/メルカリ(SOLD OUT)/Wikipediaの解説.
■ 2025年11月12日・《1322》dz2軌道 2  0
量子化学であつかう電子のd軌道(d orbital)には5種類あるが,そのうちdz2(←これが正確な表記/意外にもHTMLで正確に表示できる)軌道だけが,4つのローブが4方向に配置されたほかの4つは異なっている.ほんらいdz2もほかとおなじなのだが,対向する2つのローブのうちのひとつが「xy平面上にある」という制約条件しかないため,ドーナツ状にみえるだけ.それを直感的に理解するために動画をつくってみたのが10年まえのきょう.そのあと,YouTubeにアップロードしたら,9年間で8.9万回の再生.「Literally the only video that made any sense, thank you!」,「I CAN'T THANK YOU ENOUGH!!!」や「thank u for clearing my doubt」などコメント多数.
■ 2025年11月11日・《1321》「イノベーションの科学」ななめ読了 1  0
清水洋「イノベーションの科学 想像する人・破壊される人」(中公新書/2024)[北大附属図書館から借りだし]ななめ読了.いきなり「イノベーションとは,経済的な価値を生み出す新しいモノゴトを射します」(ページi)と.だけどそれはシュンペータが言ったことで,ほんらいの意味には「経済的」はふくまれていない.「nova(あたらしい)」をつくりだすことだけ.経済的な要素だけでいえば当然「破壊される人」がでてくる.第2章の「創造する人の特徴」はほとんど意味のない議論.「創造する人」のモチベーションは「内的動機づけ」だというが,それがなにかということをかんがえていない.第4章の「新しいモノゴトへの抵抗」(102ページ)はそのとおりだが,経済ではなく研究におけるイノベーションなら比較的簡単にのりこえるような気がする.
■ 2025年11月10日・《1320》パスワードつきZIP 1  0
NPOでの逆二重励起光音響分光法受託測定の結果のファイルは,アカデミック(大学・研究所)の場合にはそのまま送るが,企業の場合にはパスワードをつける.複数のファイルの場合は,まとめてZIPで圧縮すればいいのだが,以前はパスワードをつけたことがあったなとおもってためしたが,「ZIP(圧縮)」しかでてこない.あきらめかけていたら,ファイル(群)をえらんで右クリックし,最下段の「追加のオプションを表示」をえらぶと「圧縮」(ファイルを選択していないと表示されない)がでるので,そのなかの「ZIP (pass)」をえらべばよいのであった.しかもできた圧縮ファイルのなかみは,フォルダーにファイル名が表示され,それをさいしょにひらくときにパスワードをいれればよいという便利な仕様になっていた.《これは自宅にあるWindows11機で,ワークスペースのものではうまくいかず,結局「7Zip」をダウンロードしてインストールしてはじめて可能になった...なんでちがうのか》
■ 2025年11月9日・《1319》論文審査 1  0
アメリカ化学会(ACS)ニューズレターによれば,「A new study reveals that more than 20 percent of chemists have knowingly added incorrect information to their manuscripts during peer review to expedite publication.」つまり,審査員に意見に沿うように,改訂稿にまちがった情報をいれる例が20%あると.そもそも,審査員の質が低下しているから,とんでもない「かんちがい」やおもいこみにもとづく審査意見が横行しているから,同様に投稿者の質がひくければそうならざるをえない.さいきんの例では,審査意見が客観的にみれば不当であると回答したら,エディターから「the authors appear to have opted to soften or remove the most critical passages」といわれる始末.すべてについて「subjective」な判断が横行している.
■ 2025年11月8日・《1318》知事公館 1  0
きのうの荒天で広葉樹のほとんどが落葉してしまい,そのうえ積雪があって「秋の風景」がほとんどなくなってしまった.イメージは自宅ちかくにある知事公館のおとといの写真.これが秋の風景のみおさめだったか.ちなみに,さいきんはこの知事公館と北がわのタワーマンションのあいだの北二条どおりに街宣車がたびたびくるようになった.釧路湿原の開発に関連してリコールをさけんでいるが,警官もほぼ常駐しているので,1回さけんだらすぐに消音.いずれにしても知事がこのタワーマンションに住んでいるというのはよくしられたことなのか.
■ 2025年11月7日・《1317》積雪 1  0
あさから天気が荒れもようで,おひるまえには「あられ」がふって,ワークスペースのルーフバルコニーにもうっすらと積雪(イメージ左).夕刻にはほぼ消えたが,道路脇の雑草のうえにはのこっていた.退職まえには「教授が出張しているあいだに雪がつもる」といわれていたのをおもいだす.帰宅時にはくもり空で,すこし冷えこんできたかなとおもったが,ことしの初積雪はおあずけか.《とおもっていたら,夜半の雪で10センチメートルほどの積雪(イメージ右)...やっぱりねぇ》
■ 2025年11月6日・《1316》スーパームーン 1  0
きのうは満月で,1年でいちばん大きくみえるスーパームーンだったとか.満月のときは,太陽と月は地球の反対側にあるから,冬は南にかたむく太陽とは反対に,月はたかくなる.夕方には空ははれて,月の出からみえた.イメージは左から,知事公館北がわの歩道からみた満月/「ご神木」(とよんでいる自宅とワークスペースの中間になるポプラ)と満月.ご神木のあるマンションの住民のこどもと祖母が月見にでてきた.
■ 2025年11月5日・《1315》ブログ 1  0
かなり以前からニフティの会員だが,プライベートでつかっていたメールアドレス(bunsho_ohtani@nifty.com)も,Gmailに(転送設定して)おきかえているし,そのアドレスあてのメールはほぼすべて迷惑メールなので,もう退会かなとおもって設定をみたら,ブログ(無料プラン・イメージ左)とホームページ(「イルポスティーノ」)も含まれていた.ブログの方はどうやら検索対象になっていないらしく,タイトルの「某教授/ProfSoAndSo」でググってもでてこないのだが,実際には2011年の5月〜6月のものだけ.しらべてみたら,大谷研究室で「ブログ」を公開する予定だったようなので,データをダウンロードして加工して表示できるようにしてみた(イメージ右).まぁ,ひまだったんだねぇ,14年前は.
■ 2025年11月4日・《1314》「アメリカ文学にみる女性冒険者たち」ぱらぱら読み 1  0
野口啓子監修「アメリカ文学にみる女性冒険者たち」(彩流社/2025)[北大附属図書館借りだし]ぱらぱら読み.やはりひっかかったのは第6章「女性化学者の文明社会への申し立て(西尾ななえ)」(117ページ).著者はアメリカ史のなかのひとびとの意識のおおきな変革は,ストー「アンクル・トムの小屋」とレイチェル=カーソン「沈黙の春」という女性の著作が契機であったとする.前者は黒人奴隷が白人と同等であること,後者は自然界の動植物が人間と等しく価値ある存在であることを指摘し,その後の変革(価値観の変化)につながったと.「センス・オブ・ワンダー」へつながるカーソンのかんがえは,「こどもたちを正しく導く」ことにあり,それが当時女性にもとめられていた「良妻賢母」像にかさなる(128ページ)は一種の皮肉であろうか.いや,逆にそうであったからこそ「こどもの現在と未来をかんがえる」という,よりグローバルな視点をもって「冒険」ができたともいえる.しらべてみると,この監修・編者で同様の女性関連書籍があと2冊出版されていた(イメージ右).
■ 2025年11月3日・《1313》「なぜ世界はそう見えるのか」ぱらぱら読み 1  0
デニス=プロフィット/ドレイク=ベアー「なぜ世界はそう見えるのか 主観と知覚の科学」(白揚社/2025)[北大附属図書館から借りだし] ぱらぱら読み.ボストンレッドソックスのジョージ=スコットは「打てているときは,ボールがグレープフルーツみたいな大きさで向かってくる.でも打てないときは,黒目豆みたいに見えるんだ」(18ページ)というのは,実際に実験してみるとそのとおりらしく,「パットがうまいゴルファーはホールカップのサイズを実際より大きく見ている」ことがたしかめられるという.つまり,人間の知覚は,主観によっておおきくかわるということ.一種のバイアスとよべるのかもしれない.
■ 2025年11月2日・《1312》「認知バイアス入門」ななめ読了 1  0
山田典一「認知バイアス入門」(ソシム/2025)[北大附属図書館から借りだし]ななめ読了.「分析」にはバイアスがかかるのは必定だから,そのバイアスの本質を知ることが必要.「皮肉なことですが,バイアス耐性に自信ある人ほどバイアスの影響下にいると考えた方がいいでしょう」(15ページ).いちばん興味ふかかったのは「基準率」.検査の対象がちがえば,結果から感じられる検査結果の的中率がおおきく変化すること.「現地開催の参加者アンケートで大半が『現地開催でよかった』」としても,「現地参加できないひとの意見は反映されていない」のおなじ.もうひとつは,虚偽情報が拡散されやすいのは「常識に反する新しい情報(新奇性=novelty)」のためで「科学者が語る真実は私たちには退屈すぎるという指摘」(138ページ)とのこと.
■ 2025年11月1日・《1311》ワークスペース開きから丸4年 1  0
現在のNPO「特定非営利活動法人touche NPO」のワークスペースは,定年退職前年の11月1日から賃貸契約開始なので,きょうで丸4年が経過.初日には暖房器(石油ファンヒーター)と脚立がひとつだけだった室内(イメージ右)も,4年めのきょうには相当な量の「モノ」がはいり(イメージ右=デスクのうえのパソコンの画面は4年前の写真を表示中),これが日常になった.じつはこのワークスペースもふくめて,自宅とこのワークスペースでの生活が「日常」になったといえる.おそらく観葉植物たちもおなじように「日常」になったのではないかと推察.
■ 2025年10月31日・《1310》Excelテンプレート 1  0
逆二重励起光音響分光法(RDB-PAS)測定結果の解析につかうExcelのファイルでは,10個のサンプルについてERDTパターンの描きだしができるが,それにくわえて,ERDT(電子トラップ密度のエネルギー分布)パターンの一致度(ζ=ゼータ)の解析も自動化されている(大学院生と研究員の努力によるもの=ありがとうございます)ので,任意の2つパターンの類似性を定量化可能.ただし,ガウス曲線をつかうピーク分離(ピークを色わけ)すると,直感的に類似性がわかるのでつかわなくなってきた...が,今回,外部からの依頼サンプルで,2つのセットアップで測定したときの類似性を検討することになりひさしぶりに使用.やはり数値ででてくるのはありがたい.
■ 2025年10月30日・《1309》Excelのソルバーでの制限条件(2) 1  0
逆二重励起光音響分光法(RDB-PAS)測定によってえられるERDT(電子トラップ密度のエネルギー分布)パターンのピーク分離には,ExcelのSolverを使用.その制限条件(ピーク位置の範囲と半値幅の範囲)をチタニアやセリアなどの成分ごとにリストをつくっておくと,データ解析にその部分をえらぶだけですむのだが,そのリストの項目(たとえば「=$C$3<=0.07」)のなかの数値をべつのセルから参照することができないのが難点.なんとかならないかといろいろためしたが,いまのところ未解決.
■ 2025年10月29日・《1308》Phase III 1  0
RDB--PAS(逆二重励起光音響分光法)の測定は,定常光(非変調光)の波長をスキャン(走査)するが,吸収そのものや発光強度を記録する通常の分光測定とはちがって,定常光によっておこる光化学反応の結果として生じるあらたな光吸収を光音響(PA)測定するので,その波長における光反応が完結する必要がある.そのため,PA信号が飽和するまでまってつぎの波長にすすむ仕様のプログラム(Phase III)は,自作の分光器(SP1とSP2)をつかったセットアップではつかっていたが,キセノンランプの分光強度がひくいため,「飽和」の確認がむずかしかった.光強度の分光器をつかう分光計器製のセットアップ(BK1とBK3) については,同社の好意でプログラムを改良してもらい(イメージ左がそのセッティング),Phase III測定ができるようになって1年.ありがたいことに,見えなかったERDTパターンのちがいが見えるようになり,さまざまな試料への応用展開がすすんだ.
■ 2025年10月28日・《1307》5文字論文 1  0
きょうの論文3つはいずれも5文字論文,つまり比較的さいきんの論文.「MAVIS2011」は,イタリアミラノのSelli研究室のMaVi(Maria-Vittoria)が大谷研究室に滞在しておこなったフッ素ドープチタニアによる光触媒反応の作用スペクトル測定をおこなった結果をまとめたもの.「RYOTA2016」は山梨大学の入江研との共同研究で,これも作用スペクトル測定結果をふくむ研究成果.このころは,分光照射装置をつかった作用スペクトル測定の需要がたかかったともいえる.「PPCST2022」は依頼されて投稿した解説論文「Happy Photocatalysts and Unhappy Photocatalysts: Electron Trap-distribution Analysis for Metal Oxide-sample Identification」で,これは逆二重励起光音響分光法による金属酸化物の「同定」に関するもの.おそらく,「happy」という単語がはいった論文はこれくらいしかないかと.
■ 2025年10月27日・《1306》水もれ 1  0
自宅のマンションは最上階(といっても高層棟と低層棟のうちの低層棟の3階)なので,入居から25年間で屋上からの水もれが3回.リビングルームは一昨年に,屋上の雪どけ水が脱気口から天井うらに入って水滴がしたたるほどの水もれ.脱気口の形状を変更してもらってリフォームしたら,ことしの春に再度水もれ.こんどは屋上の防水ぎれ.先週金曜日にようやく改修工事完了.まだまだ心配なので,天井うら3か所に温湿度センサーをいれてもらうことにした.スマートフォンとのBluetooth接続で,親機をWiFi接続しておけば外出先からも確認可能(イメージ).便利なよの中になったもの.
■ 2025年10月26日・《1305》シクラメン 1  0
2019年の誕生日に研究室のコワルスカ准教授(当時・現在ポーランドヤギェウォ大学教授)の長女のリリアナからもらったシクラメン.ことしの春には葉もぜんぶとって,ときどき水をやっていたら,10月になって室内にいれたあとに葉がでてきた.しらべてみると,シクラメンを毎年さかせるためには,いっさい水をやらないで夏をこさせる「ドライ」タイプと,ふつうの鉢うえとおなじように,定期的に水をやる「ウェット」タイプがあるそうで,これまで5年間この「ウェット」タイプで花をさかせてきた.ことしは,土の復活剤と肥料(ハイポネックス)をまいたので,この冬にも花がさくことを期待.
■ 2025年10月25日・《1304》3文字論文 1  0
きょうの論文3つ(ひとつは単著の書籍)は2001年,2002年と2003年で,いずれも3文字のコードとなっている.論文をコード化するのをはじめたのはいつだったかは記憶がさだかではないが,さいしょに論文がでた1981年当時はまだ別刷り(リプリント)があった時代で,はがきで請求がきたら船便(BY SEA)で送っていたから,その別刷りをファイルキャビネットで保管するときにフォルダーの「タブ」につけたのだとおもわれる.そんな先をかんがえてなかったからアルファベット3文字でもよかったが,そのうち3文字では連想がむずかしくなってきて5文字に変更した.そういう意味では,21世紀初頭はまだ平和な時代だったといえる.
■ 2025年10月24日・《1303》チタニアサンプル 1  0
きょうの論文3つはいずれも酸化チタン(IV)(チタニア)をベースにした光触媒をもちいた反応に関するもの.どれも特徴的なサンプル([BLACK2022]はチタニアを還元したもの/[MARIA2016]は金微粒子担持物/[HLE2000]は層状チタン酸).いまとなって悔やむのは,退職時に研究室を整理するときに,これらのサンプルをきちんと持ちださなかったこと.のこしてあれば,逆二重励起光音響分光法(RDB-PAS)測定をおこなって,その表面構造の特徴を把握し,報告した結果をもとに解析ができたのに...残念.
■ 2025年10月23日・《1302》ディジタルキネティクス 1  0
きょうの論文のひとつが「ZLIDA2018」で,この解説のなかで,「ディジタルキネティクス」の重要性を提唱.従来の速度論では,あらゆるプロットがなめらかに変化するが,光触媒反応の強度依存性のプロットでは,いきなり直線のかたむきが変化する「シンギュラリティ」が出現するようにみえることがある.その理由のひとつとしてかんがえられるのが,キネティクス(速度論)の式がアナログではなく,ディジタルになっていること.たとえば,ひとつの光触媒粒子が同時に2つの光子を吸収したときにはじめて反応がおこる場合には,光強度がじゅうぶんにたかければ,つねになりたつので速度は光強度の一次(比例)となるが,ひくい場合には光強度の二次となる.粒子径が均一であれば,ある一定の光強度を境目としてべつの依存性があってもおかしくない...というはなしだが,いまのところ賛同者はない.
■ 2025年10月22日・《1301》ヘッドマウントカメラ 1  0
逆二重励起光音響分光法(RDB-PAS)測定の実際の作業,たとえば,サンプルホルダーへの試料の充填やPASセルのくみたてとメタノール飽和窒素の流通など,ことばだけでは説明しにくいものを,たとえばオンラインミーティングで説明するには,ヘッドマウントカメラが必要だが,基本的にヘッドマウントカメラは,パソコンやスマートフォンと接続してつかうことはかんがえてなくて,録画機能だけのものが多い(たとえば「Bluetooth ヘッドマウントカメラ」で検索してもでてこない).しかたないので,安価なLEDヘッドランプとUSBカメラを合体させたヘッドマウントカメラを作製してみた.イメージは左から,できあがったヘッドマウントカメラとはずしたLEDライト/装着してみたところ/Zoomミーティングでつかってみたところ.
■ 2025年10月21日・《1300》モニター 1  0
ワークスペースに来客,ということもけっこうあって,そんなときに資料をつかって説明するには,ソファにすわってラップトップパソコンの画面をみてもらうしかなかったが,スタジオでサブモニターとしてつかっているディスプレイ(イメージ左)をラボにもっていけばいいと気づいた.ただ,Bluetooth接続のためにUSBの電源が必要なので,電源ケーブルとまとめて移動可能なようにしてみた.RDB-PAS測定装置のひとつのBK2の右側にちょうどいいスペースがあって,ディスプレイをおいてから上にのばすと転落も心配なし(イメージ右).でもちょっと小さいかなぁ,画面が.
■ 2025年10月20日・《1299》マイレージバンク 1  0
日本航空株式会社から「ANAマイレージクラフ会員」あてに「ANAマイルキャンペーンのご案内」なるメールがとどく.ありがたいこと...もしこのメールの送信者が日本にすんでいるとしたら,こんなミスに気づかないのはおかしいので,おそらく日本語を解さないひとがつくっている...ということは,この手の「変じゃない」日本語の文章はAIで簡単につくれるということか.逆にいえば,「その程度のひと」でもかんたんにできてしまうという時代になったともいえる.
■ 2025年10月19日・《1298》メモ 1  0
毎朝の日課は,起きてすぐに「R-1(ヨーグルトドリンク)」をのんで,トイレにいき,メールをチェックしてから洗面所で体重と腹囲(メジャーはガウンのポケットにはいっている)の測定.結果をメモ用紙に書いてから,歯みがきと洗顔.キッチンでまえの晩につかった食器のかたづけをしてから,コーヒーをいれるためにお湯をわかしてさましているあいだに,エクササイズをして,1.2 Lのコーヒーをいれる.毎日新聞と日本経済新聞をよむ.毎日新聞には「朝から数独」が,土曜日の日経にナンバープレース(数独とナンバープレースのちがいはこちら・商標登録の問題以外に数字の配置の対称性にちがいがある)がある.両紙とも土曜日には書評がのっているので,めぼしいものをメモ.きのうは土曜日で数独が2つある(日曜日は毎日に2つある)うえに,おもしろそうな本がたくさん紹介されていたので,メモは満杯.《緑の字がもともとのもので,まず赤で解答し(できれば「一筆書き=ひとつの数字をぜんぶいれる」),そのあと1から順にうめるのを青で》
■ 2025年10月18日・《1297》さいしょの論文から9年 7  0
きょうの論文のひとつ「RDBPL2016(Nitta, A.; Takase, M.; Takashima, M.; Murakami, N.; Ohtani, B. Chem. Commun. 2016, 52, 12096-12099.)」は逆二重励起光音響分光法(RDB-PAS)による固体材料の分析についての最初の論文で,出版されてからきょうで9年.当初は,粉末試料を同定(identification)できることが「うり」だったが,9年たったいまは,えられるERDT(電子トラップ密度のエネルギー分布)パターンをピーク分離する解析法がほぼ確立されて,サンプルの表面構造の分布に関する情報がえられるようになっている.ただ,「同定」できるという話は比較的受けいれられやすいが,ERDTにふくまれる各ピークをそれぞれべつの表面構造に帰属するということになると,「そんなことができるという根拠があるのか」という(審査員の)反発がはげしい.「技術の社会実装化」での「魔の川・死の谷・ダーウィンの海」のうちの,「魔の川(研究〜製品開発間での問題)」にすぎないから,まだまだ道はとおい.
■ 2025年10月17日・《1296》蛍光顕微鏡 1  0
業務日誌によると,2000年のきょう,電子科学研究所の下村研究室(当時)に蛍光顕微鏡測定の相談に行っている.池田茂助手(当時・現甲南大学教授)と博士研究員のハディ=ヌルさんがやっていた「界面触媒」粒子(ひとつの粒子の表面の一部が親水性でのこりが疎水性)の測定の相談.そして,ちょうど1年後(+1日)の2001年10月18日に,蛍光顕微鏡観察によって,たしかにひとつの粒子が親水性と疎水性をもっていることをしめした論文「FLU2001」が出版に.よくかんがえてみれば,親水性と疎水性面の両方があることは巨視的(マクロ)分析でもわかるが,ひとつの粒子に両方があることをしめすためには,微視的(ミクロ)分析しかない(が,観察したもの以外がおなじようであるとの確証はえられない).
■ 2025年10月16日・《1295》中古機器 1  0
いつものならすぐに「ゴミ箱」へはいるであろうメールが,なにか気になってよんでみたら,「年度末の予算消化のために中古機器はいかがですか」とのメール.そういえば,大谷研究室時代には,所属する大学院生がふえてくると,とくにガスクロなどの分析機器が不足して,たくさんの中古機器を買ったのであった(「ひろって」きたものや「もらった」ものも多数).ただしそれができたのは,消耗品ではない部品を購入してじぶんで修理できたから,10年くらいまえから,各測定装置メーカは部品を販売しなくなった(そのかわり代理店が修理する)から,不具合が生じると臨時の出費がかさむことに.「むかしはよかった」ねぇ.
■ 2025年10月15日・《1294》ルチル酸化チタン 6  0
いろいろあって中断していた約50種類の市販酸化チタン(IV)(チタニア)の逆二重励起光音響分光法(RDB-PAS)測定結果の解析を再開.ざっとながめてみると,XRD分析でルチル結晶が主成分のサンプルには2種類あって,ひとつは,表面にルチル結晶が露出しているもの(イメージ左[紫のピークがルチル]=微量のアナタース結晶をふくみ比表面積が比較的ひくい).もうひとつは,表面がほとんどアモルファス(イメージ右[青のピークがルチル上のアモルファス]=ほとんどアナタースがなく非結晶成分量(イメージ中の「am」)が比較的おおい).ほかの分析結果ではあまりおおきなちがいがないサンプルでも,ピーク分離したERDT(電子トラップ密度のエネルギー分布)パターンをみればちがいは歴然.《おそらくルチル含率(あるいは結晶成分の分率)が90%以上のサンプルは高温で焼成しているため表面のアモルファス層がすくないものとおもわれる》
■ 2025年10月14日・《1293》実験ノート 4  0
2022年8月から,実験ノートは「ナカバヤシロジカル・エアー HA4-H501B」を使用(イメージ左).もともとは,ホーマック(現DCM)でみつけて使いやすそうだったので購入したのだが,現在はDCM各店でのとりあつかいがなく,ナカバヤシの通販サイトだと送料がべらぼうに高いので,インターネット通販をさがしたら,ヨドバシだけだった...おそらく札幌店からの配達なので問題なし.ハードカバーの帳簿にくらべてちょっと格調はさがるが,「たたんだ」ままつかえる(イメージ中)のがすばらしい.10冊をこえたので,本棚にならべた状態でも巻数がわかるように線をいれてみたが...あまり役にたたない...やれやれ.
■ 2025年10月13日・《1292》フィッシングメール 1  0
かなり本物っぽいフィッシングメールがとどく.講演会場のアルカディア市ヶ谷(私学会館)はたしかにあるし,川崎重工業のはなしというのもそれなりの信憑性.そもそも「旭友会」はAGC(旭硝子)の退職者の親睦団体(旭運輸のOB会でもあるが...)で実在.しかし...「旭友通信」でググると「フィッシングメール」という多数の情報.ということは,相当な数のメールが配信されているもよう.しかし,こんな講演会の登録してみようという人がどれだけいるのかはよくわからないところなので,ひっかかっるひとがほんのすこしでも相当額の詐欺がみこめるということか...いずれにしてもGmailはちゃんとこれを「迷惑メール」としてフィルターアウト.
■ 2025年10月12日・《1291》鉢植えの手いれ 1  0
2週間ほどまえは夏だったのに,札幌はすでに冬の気配で,雪虫もとんでいる.今シーズンはちゃんと植えかえをしようとかんがえていたが,時期をのがしてしまい,雪がふる前に手入れをすることに.北大時代に研究員の方からもらったサボテンは2倍以上に成長して(イメージ右)倒れることがおおい(その結果,手に「とげ」がささって痛い)ので大きめの鉢にうえかえ.2つのベンジャミン(刈りこみまえはイメージ中[2025年4月])は,かなり刈りこんで整形.のこりは,「まくだけで土が回復」なるものをまくか,固形肥料(ハイポネックス)をおいた.これで冬をむかえられる(イメージ左).ちなみに,もうだめかなとおもっていたシクラメンもあたらしい葉がでてきたのでことしも花がさくかも.
■ 2025年10月11日・《1290》ノーベル賞と石油化学科 5  0
2025年ノーベル化学賞受賞の北川進さんは1974年に京都大学工学部石油化学科(現物質・エネルギー化学教室)米沢研究室卒業(1979年に博士課程修了)の先輩なので,1975年から4年間おなじ建物ですごしたことになる.1981年に石油化学科教授の福井謙一先生が日本人としてはじめてのノーベル化学賞を受賞.米沢貞次郎教授は福井研究室を1947年に卒業(旧制・1952年博士課程修了)しているので,北川さんは福井謙一先生の孫弟子.2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんも米沢研究室で,1970年に卒業(1972年修士課程修了・9年先輩)ということで,石油化学科関係者3人がノーベル化学賞受賞.《この記事を書くために同窓会誌(2010年/2012年発行)をしらべていたら,米沢先生が名簿から欠落していることを発見(名簿編集を担当した第2号にはちゃんと掲載されていたが...)》
■ 2025年10月10日・《1289》「研究法がアートと出会うとき」ぱらぱら読み 1  0
パトリシア=リーヴィー「研究法がアートと出会うとき」(福村出版/2025)を北大附属図書館の「新刊コーナー」でみつけて,借りだし.「研究の手法」のよしあしを「art」として評価するはなしかと想像していたものとはちがうらしいとわかって,あとはぱらぱら読み.奇しくも日本化学会の「化学と工業」最新号(78巻10号)の巻頭言が「化学とArt」(吉田久美)だったのでよんでみたが,その内容は「化学とArt」ではなく,「Artのなかの化学」であり,絵画や工芸品の色合いなどが「化学」で説明できるというものだった.ことばにはしにくいが,「この研究(論文)の構成は芸術的(art)」と感じることがある.
■ 2025年10月9日・《1288》NHKプラス 1  0
番組を配信する「NHKプラス(NHK One)」がリニューアルした10月1日の朝に以降手続きをしたら,「認証コード」の電子メールがとどかない.すでに深夜2時ころには不具合が発生していたようで,10月2日の午後にようやく解消.原因は,ひとつのサーバからのメール配信数が制限をこえていたから.届かない大半のメールは「Gmail」でGmailでは,ひとつのサーバからGmailへの配信数の制限は5,000通.そんな制限があることを想定していなかったというなんとも初歩的なミス.準備さえしておけば,その制限数はクリアできるのだが...
■ 2025年10月8日・《1287》「捏造の科学者」再読了 3  0
須田桃子「捏造の科学者」(文藝春秋/2014)再読了.これは単なる推測だが,シェーン事件とおなじように,事件の中心人物である小保方晴子氏は「STAP細胞がある」と確信していたとおもわれる.ということは,ふせぎようがなかったのだが,実際には,笹井芳樹氏がNatureへの投稿論文をサポートした(実際にはすべて書いた)ことが事を大きくしたといえる.笹井氏は疑念を払拭することなく,「アクセプト」される論文をつくってしまったという意味で,研究倫理にはずれていた(と理化学研究所が認定).逆にいえば,どんな内容のものでも,Natureにアクセプトされる論文ができてしまうこと,そして,そのことによって研究費をとらざるをえない状況が根本的な問題か.「確信をもてるまで研究をおこなう」がむずかしい現在の状況は破綻するまでつづくのだろうか.いずれにしても,笹井氏の小保方氏への遺言「絶対にSTAP細胞を再現してください」(347ページ)が「赤い靴(履いたら踊りつづけるしかない)」であるとの一研究者の指摘(349ページ)はするどい.
■ 2025年10月7日・《1286》バトラー #104 1  0
亡母がずっと「Butler GUM #105」という超硬め(ultra hard)の歯ブラシをずっとつかっていた.おそらく「暮らしの手帖」の記事を読んでだと思うが,亡くなるまで1本も歯をうしなうことがなかった.大学生になって下宿をはじめたときから,母がその歯ブラシを送ってくれていたので,50年ちかくつかってきた.10年ほどまえにその「超硬め」が販売中止になって「硬め」の#104になったが,そのシリーズがもう発売中止に.さて,おなじくらい硬い歯ブラシがあるのかどうか...
■ 2025年10月6日・《1285》ウェブカム 1  0
せっかく「そと」の景色がはいるように「むき」をかえたウェブカムだが,写っているのは「かわりばえ」しない.なんだかなぁとおもいながらパラパラみていたら,1日24枚のうち,1枚だけ「ほかとはちがう」ものを発見.それは夕刻になって室外がくらくなり,かつ室内の照明があるときに,窓ガラスに内部が映っているとき.10月1日なら18時ころ(イメージ左).よくみると1時間前(イメージ右)にもかすかに室内のRDB-PAS測定装置が映っていた.ちなみにサボテンはもともと室内にあるもの.
■ 2025年10月5日・《1284》「本質的緊張1」ぱらぱら読み 1  0
トーマス=クーン「本質的緊張 科学における伝統と革新1」(みすず書房/1987/北海道大学附属図書館から借出).ほんとうは,「パラダイム」についての記述をふくむ「2」を読みたかったのだが,2巻にわかれていることに気づかず(その後の2018年の出版では1巻)こちらを借りだした...でぱらぱら読みして,目にとまったのはさいごの章「科学史と歴史の関係」のさいごの部分.当時のわかい研究者の傾向をのべたあと,「この傾向が現在流行している理由の一つには,明らかに,現在しだいに激しくなりつつある反科学的な有害な雰囲気が挙げられる」(204ページ).原著「The Essential Tension: Selected Studies in Scientific Tradition and Change」が出版されたのは48年前の1977年.歴史はくりかえすということか.いやいや,科学とはつねにそういう立場なのか.
■ 2025年10月4日・《1283》チタン酸リチウム 1  0
どこでどうやって見つけたかをおぼえていない(さいきんこの手の「おもいだせない」が多い=老化)が,チタン酸リチウム(Li2TiO3)が,リチウムイオン電池の電極材料として注目されているらしい.もともと,Li2TiO3はトリチウムの捕捉剤につかわれていたよう(現在も研究がつづいているかは不明).市販品に手ごろなものがあったのでRDB-PAS測定をしてみたら,低強度ながな「それらしい」ピークが出現.どうやらバルクはLi2TiO3でも表面はいろいろな組成のものがあるらしい.関連の研究者をさがして電子メールで連絡をとってみたが,応答があるかどうか...
■ 2025年10月3日・《1282》「科学の発見」読了(その3) 1  0
ギリシャ時代を起点にして発展した科学も,医学には直結せず,「医学の理論と実践が実証的科学によって訂正されることなくこれほど長い間続いたのはなぜだろう」(70ページ)という状況が二十世紀までつづいた.さまざまな理由がかんがえられ,ひとつが,治療がうまくいかなかったときに「その医師の理論が間違っていたからだと確実に言えるだろうか」という問題.そしてもうひとつが「権威」の問題.「医師にとっては,自分のいわゆる治療法を押しつけるためにはこの権威を守るほかなかった.権威をもった人間が自分の権威を損なうかもしれない研究に反対するのは,医学界に限ったことではない」(71ページ).
■ 2025年10月2日・《1281》「科学の発見」読了(その2) 1  0
さらにだいじなのは,科学(研究)と宗教の関係.紀元前のギリシャ時代の記述では宗教に関連する記述はないが,アラビア化したペルシャ帝国では,イスラムの影響が大きかったと考えられている.いまでいうところの科学者や一般のひとびとがイスラムの立場から「科学」をどうとらえていたかは画一的ではない(162ページ)が,科学者が影響をうけていたことは確実.よくしられているように,十一世紀以降のヨーロッパにおいては,アリストテレスの命題は異端宣告されることになり(176ページ・のちに撤回),十七世紀にはガリレオが異端裁判にかけられる(247ページ).かくして,科学はその発展の経緯において宗教と絡みあってきた.そして現代のアメリカでもおなじような問題(宗教ではないが一種の盲信)が生じているのかもしれない.
■ 2025年10月1日・《1280》「暗黙知の次元」ななめ読了 1  0
マイケル=ポラニー「暗黙知の次元」(紀伊国屋書店/1980).とても「ななめ」に読んで理解できるものではないが,翻訳が適切なのでなんとか...なんだか「科学とはなにか」をすべてふくんでいるようにも思える.「一般の人が科学の言明を受けいれる場合,それは権威を根拠にしている(中略)科学者は事実にかんして,同業者である他の科学者の権威にはなはだしく依存しなければならない」(96ページ)は「パラダイム」に,「もっともであるとは考えられない主張を排除したことが,あとであやまりとわかることもしばしばある.しかしそのような危険にたいする安全策は,雑誌がナンセンスでうめつくされるという犠牲を払うことによってしか,確保されえぬであろう」(98ページ)はさいきん話題の「リプリント」に,そして「彼(マックス=プランク)のみが,その中に,人間のものの見方を転換させる新しい秩序をほうりこまれているのを見たのである.他のいかなる研究者も,このような見方ができることなど夢にも思いつかなかった.アインシュタインの諸発見さえこれほど孤独ではなかった」(191ページ)は研究の「オリジナリティ」に通ずるものがある.《どのページもやや右にかたむいているように見えるのは気のせいか...》
■ 2025年9月30日・《1279》「科学の発見」読了 1  0
スティーブン=ワインバーグ「科学の発見」(文藝春秋/2016)読了.原題は「To Explain The World: The Discovery of Modern Scince」(「科学の発見」をタイトルにふくむ本がなんと多いことか).ノーベル物理学賞受賞者が「現在の基準で過去を裁く」ウィッグ史観で書いた(425ページ)ことで話題をよんだが,読みとおしてもっとも印象にのこったのは,ギリシャ時代にはじまった科学(あるいは哲学)の文献はギリシャ語で書かれており,ペルシャ帝国をアラブ人(イスラム)が支配したことで,書物がアラビア語に翻訳され(その結果「アラビア数字/アルジェブラ/アルカリ」などの用語がのこった),さらにそれがヨーロッパでラテン語に翻訳されることによって,現代の科学につながっているということ.
■ 2025年9月29日・《1278》荷物のうけとり 1  0
インターネットで発注した商品が宅配ボックス(ちいさなものなら郵便うけ)に届けてくれるという便利な制度はいつの間にか定着.ただやはり事故も起こりうるわけで,かつては自宅の宅配ボックスの「使用不可」(解錠できない)のボックスに入れられたこともあった.さいきんのAmazonの配送では,「ちゃんとここに入れましたよ」という写真つきで配送完了通知がくるようになった...ということは,やはり「受けとっていない」というクレームが多発しているということか.
■ 2025年9月28日・《1277》「絶対『謝らない人」ななめ読了 1  0
榎本博明「絶対『謝らない人f」詩想社(2025/Kindle版)ななめ読了.なぜあやまらないのかについて心理学的に分析(というより推測)してその原因を列挙したもの.いちばんおおきな要素は,「コンプレックス」であって,「じぶんに自信がないこと」の裏がえしとして,「あやまらない」ことになるという.さいごでは,このようなひとに対応するためには,「かわいそうなひと」であると認識してしまえば,ストレスを感じなくてすむという.たしかにそれは有効だとおもう,そのひとより優位にたてるわけだから[一種のオクシモロン].
■ 2025年9月27日・《1276》受験生の日常 1  0
高校3年生の9月の日常がこれ(イメージ).コルドバ(高校から阪神電車の線路をはさんでむこうがわ=授業をささぼって)かフランドル(甲東園=帰りにより道)には頻繁に通っている.15日には,たばこの煙を口からだして鼻へいれる「法」を習得.17日に買ったレコード2枚はいまも自宅にある(29日にはサンタナのアルバムをもう1枚購入).22日には文化祭である「音展(おんてん=音楽と展覧の会)」があって,合唱コンクールで優勝し,招待したカノジョとカフェへ.なんとものんきな日常.翌月にサッカーをしていて右眼のけがをして入院することになろうとは思いもよらず...
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■ 2025年9月26日・《1275》異分野交流 1  0
きょうの論文のひとつである「ZCATA」(B. Ohtani, Titania Photocatalysis Beyond Recombination: A Critical Review, Catalysts, 3, 942-953 (2013).)は,光触媒反応の活性(速度)の高低が「再結合(recombination)」の大小によってきまるとする風潮に抗うことをめざした解説.さいごに,「The only possible way to solve these problems is to carry out collaboration work with researchers in fields completely different from photocatalysis. 」と,異分野交流の重要性を説いているが,実際には,そんなにうまくいくはずがないから,じぶんではいっていくしがないが,コロナ禍がおさまってオンラインでの学会(学術集会)がほとんどなくなった現在,それもむずかしい.
■ 2025年9月25日・《1274》ワンタイムパスワードの禁止 1  0
インターネットのセキュリティ関連のニューズメールで「金融関係のウェブサイトでのワンタイムパスワードの『禁止』」が金融庁の指針で変更になるとのこと.いまや,メッセージやメールでのワンタイムパスワードの利用がほとんど「ふつう=常識」になっているいま,この脆弱性も問題になってきた.簡単にいえば,偽のサイトからログインさせれば,ワンタイムパスワードもふくめたログイン情報をつかって乗っとられるらしい.イメージはcybertrustのサイトから.どんなことでも「すりぬけよう」とするひとはいるということだが,偽のサイトにアクセスしないようにするしか有効な手はないともいえる.《「やばそう」なURLのサイトから公式サイトにきたらはねるくらいのことがあってもいいかとおもうけど...こんなのではだめか》
■ 2025年9月24日・《1273》「哲学な日々」ななめ読了 1  0
野矢茂樹「哲学な日々 考えさせない時代に抗して」(講談社/2015)ななめ読了.以前(たぶん2015年あたり)にも読んでいたらしく,ところどころ「端折り(はしょり)」があるのだが,どうやらそれが「はなしに共感した」あるいは共通性を感じたところらしい.たとえば「少なくとも私の授業では,知識を身につけることを目指してはいけない」(19ページ)とか,「(講義で質問をうけつけることにしたら)質問を整理し,それへの回答とともにプリントにして配ることにした.(中略・つぎの講義のさいしょに説明するのに)授業の半分の時間を使った」(25ページ)とか.まるでおなじだ.ついでにいうと,「(わたしの文章には)漢字がすくない(ページ不明=端折るのをわすれた)」のは「知的生産の技術」の影響かもしれない,同時代なので(2歳うえ).
■ 2025年9月23日・《1272》▲●▲● 1  0
イギリスから知人(イルポスティーノの常連客)がたずねてくれたので,街中の水族館「AOAO Sapporo」へ.すすきののビルのなかにあるこの水族館は,おそらくいちばん大きいのが「オオサンショウウオ」か「ペンギン」だた,その種類は相当多いことが特徴.すこし暗めの室内でながめているとあきることはない.イメージは左から,ほとんどうごかないのが迫力たっぷりのオオサンショウウオ/クラゲの乱舞.なお,ロゴは「▲●▲●」のそれぞれに白丸がはいっていて,「AOAO」とよませるらしい...
■ 2025年9月22日・《1271》lofty ambition 1  0
クラーク博士が「Boys be ambitious」と言ったかどうかははっきりしないが,「lofty ambition」ということばは,札幌農学校の開校式典でのクラーク博士の式辞としてのこっているから,「ambitious」が一種のキーワードであったことは推察される.ただし,第一期生がその式辞をきいて日本語として記録したもの(現存する)には,該当するものは見当たらない(イメージは佐藤昌介のもの)ので,記録してのこすときにクラーク博士が書いたものとおもわれる.いずれにしても,この「ambition」は「大志」なんかではなくて,「野心」.卒業生が日本をうごかす中枢となっていくことを期待してのことで,これに「lofty」ということばをつけた一種のオクシモロンではないかということをまえにも書いた.その文脈からいえば,「Boys be ambitious」は当たっているともいえる.
■ 2025年9月21日・《1270》アーカイブ 1  0
現在,触媒学会光触媒研究会が主催する「光がかかわる触媒化学シンポジウム」(第1〜3回は「太陽光エネルギー変換にかかわる触媒化学シンポジウム」)の要旨集のPDFファイルを公開すべく準備をすすめてきたが,研究会の世話人会で,要旨の公開はせず,プログラムだけを公開することに.学会運営エンジンmeddleをつかって検索もふくめて表示できるように準備してきたので,ちょっと残念.実際に公開するとなると,検索がないとほとんど意味がないということ理解してもらえないのは,触媒学会の「触媒」誌や光化学協会の「光化学」誌の場合もおなじ.ともかくサーバにPDFファイルがあればよい,というかんがえの人を説得するのはむずかしい.
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