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■ 2024年7月23日・《845》審査員
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学会運営エンジンtoucheの参加登録は,(参加登録費がばらばらに振りこまれることによって確認作業が困難になることに対する対応として)複数名の一括登録が可能(むしろ推奨されている).この場合それぞれのIDは申込代表者のそれに枝番がつく(たとえば,代表が「UVWX」なら「UVWX_2」)が,ログインでは,枝番なしのIDと電子メールアドレスの入力で可能にしてある.表彰審査が設定されている場合,審査員がログインすると,オンライン表彰審査票の入力と確認が可能になるが,一括登録のほかの審査員ではない参加者でも,審査員の電子メールアドレスをしっていれば...審査員としてログインできてしまう,という指摘をうけて,審査員には,べつの「refereeID」を設定することに.やれやれ.
■ 2024年7月21日・《843》音と颯太
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きのうの滝川高校での発表会のプログラムをながめていたら,3年生130人のうち,なまえが「音」でおわる女子生徒が4人.「花音(かのん)」,「心音(ここね)」,「寧音(ねね)」と「朋音(ともね)」.ちなみに「子」でおわるのは,「日向子」,「桃子」と「莉子」の3人しかいない.男子生徒では,「颯太」君がいて,大谷研究室の元のスタッフの長男と姓もふくめておなじ.ちなみにそのなまえ(姓名)の大学院生がいるのを知っているので,まったくおなじ姓名のひとを3人知っていることになる.単なる偶然か,それとも相当な数のひとがいるのか...イメージは1月のポスターセッションのときのもの.
■ 2024年7月20日・《842》来よった!
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きょうは北海道滝川高校の課題研究発表会(オープンスクール)で,運営指導委員として参加.いくつかの教室と体育館の会場のうち,おもに体育館での3年生のポスター発表をみてまわった.ポスターの前での質疑応答をいくつかしたところで,発表した生徒から「大谷先生がポスターに来たらぼこぼこにされるので...みんな『来ちゃった!』と思うんですよ」と.なるほど...おそらく発表している生徒とはちがう視点で質問するからではないかと.そういえば,かつて,わたしが学会の会場に入ったときに,(たぶんそのあとに発表することになっている)学生が「来よった」とつぶやいたと,そばにいた大谷研究室の院生が教えてくれた.退職しても変わってないということ.イメージは1月のポスターセッションのときのもの.
■ 2024年7月17日・《839》「謎ときサリンジャー」読了
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竹内康浩/朴舜起「謎ときサリンジャー 『自殺』したのは誰なのか」(新潮選書/2021)読了.コロナ禍の最中,出版直後の2021月10月に(おそらく新聞の書評欄をみて)購入して「つん読」していたものを,旅行前に本棚にみつけて持参したもの.往路の飛行機のなかで読みはじめ,すぐにとまらなくなって,旅行中に時間ができたら読んでいた.おそるべき本であり,これこそ研究といえるもの.多くの研究がある(ということらしい)謎多き作家サリンジャーが,一連の著作のなかで「目論んでいたこと」があかされる.それにしても,「バナナフィッシュ」の「バナナ」に真の意味があったとは...
■ 2024年7月16日・《838》氷川丸
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19年前のきょうは,横浜出張の最終日.どうやら連休で,前日夜と当日朝の航空便がぜんぶ満席で,しかたなく夕方の便になったとのことが,「睡眠と食事と体重の記録」にのこっていた(非公開のページ/イメージ左).当時は外食は写真にとっていて,その解説も書いていたようで,ひまつぶしに山下公園へいって,遊覧船にのり,ホットドッグを食べたとのこと.その山下公園に展示されている氷川丸を気に入って,ポストカードにしている(
こちらは公開
/イメージ右).
■ 2024年7月10日・《832》MP4動画の編集
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先日の講演会(光機能材料研究会主催「光触媒研究の開発技術の最新動向と将来展望」)では,依頼講演とともにサポートも担当で,YouTubeで参加者限定で公開してもよいという講演の録画したが,うっかりして2つの講演をつづけて録画してしまった.2つに分割するのに,さいしょはAdobeのアプリケーションをつかってみたが,はじめての使用でうまく行かず.で,しらべてみたら,YouTubeにアップロードしてから分割が可能で,あっさり解決.じぶんの講演については,未発表部分が多くて公開できないので,見え消しのスライドをつくって再現したのだが....あとでしらべたら,YouTubeに「ぼかし」の機能もあったのであった.
■ 2024年7月5日・《827》過渡吸収スペクトル
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きょうの論文
のひとつ
KAN1998
は,酸化チタン光触媒のフェムト秒レーザポンププローブ測定による解析結果の速報.
■ 2024年7月1日・《823》NPOのページを更新
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たぶん1年ぶりに更新.というのも,NPOは毎年「損益計算書(バランスシート)」を公開することになっていて,そのバランスシートをふくめた報告書を管轄する地方自治体に前年度末から2か月以内(4月はじまりの会計年度なら6月中)提出することになっているから.ということで,バランスシートを2023年度版に更新するとともに,いくつかの「てなおし」.ひとつは,逆二重励起光音響分光法測定に関する関係論文の追加.もうひとつは,スタジオ(ワークスペース=事務所)にたずねてくる方のためのグーグルマップへのリンクがついたアイコンの設置.オンラインでできる寄付に関するリンクもあるんだけどなー.
■ 2024年6月30日・《822》迷惑メール
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フィッシングメールとして「迷惑メール」ボックスにはいるのは,さいきんは「『えきねっと』の退会処理」とか「クレジットカードの支払い確認」とかが多かったが,「あらて」のものが「your photos」というやつ.「どこでおまえの写真を見たって...ここにあるよ」というだけのもの.リンクURLは「https://gogle/pics」(存在しない)だが実際ついているリンクは「https://un22pry.bigbonusleader.life/df3prg9?m=1」で,「いかにも」というやつ.だけど,じぶんの写真がどこかにあるというので,そこを見たくなる...ということに気づいたひとがいて,さらにそれを利用してフィッシングメールを送ることができるとかんがえたということ.
■ 2024年6月29日・《821》Invitation Letter
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学会運営エンジンmeddle上で運営されている「とある」学術集会(学会)で,急遽「国際シンポジウムセッション」を設けることになり(発表申込がすでに多数ある段階で英語での国際シンポジウムにはできないため「セッション」ということに...),海外の研究者に「招待講演」をしてもらうことに.となると,招へい状(invitation letter)が必要(一部の国では日本への入獄にビザが必要)ということになり,この学会だけでなくほかの学会でもつかえるということで,無料でスクリプトを修正.できあがったのがイメージのもの.システム管理者が代理で招待講演者の参加登録をした際に,この招待状を表示するURLがはいったメールが送信されるように設定済(あとで修正できないのでウェブシステムからは添付ファイルをつけたメールを送信しないのが原則...といっても今回はいろいろトラブルがあって追加のメールを送るはめになったが...).
■ 2024年6月28日・《820》異常音
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3年前のきょうの記事は「シリンダーキャビネットの圧縮空気もれ事故」について.
■ 2024年6月27日・《819》ブルカイト
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きょうの論文
のひとつである「
BRO1985
」
■ 2024年6月25日・《817》会議
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業務日誌をみると6月25日には,「スライダック(可変式変圧器)をひろってきて整備」したなんて記事もあるが,半分以上の年で会議.関西電気化学研究会世話人(1993),化学専攻教官会議(1998),地球環境科学研究科将来計画委員会/エネルギー先端工学研究センター将来計画委員会(2001),協議員会/部門教授懇談会(2002),特定領域研究「光機能界面」全体会議(2004),分野内報告会(2005),札幌石油化学の会(2006)...などなど.
■ 2024年6月24日・《816》P25
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きょうの論文
の唯一のものが「
P25JP2010
」で,ほんらいならこの日の該当論文はないのだが,むりやり資料をさがして「reveiw received(査読意見到着日)」に設定.現在のところ引用数は第2位(トップは
AMO1997
).
■ 2024年6月23日・《815》ライラックセミナー
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約30年間で,この日がライラックセミナーの初日あるいは2日めだったのは3回.さいしょは「大滝セミナーハウス」(
2023年に閉館
)で,そののち
小樽自然の村
「おこばち山荘」で開催.依頼講演とポスター発表の泊まりこみセミナーだったが,コロナ禍のあとでかわったもよう.2018年と2019年は,
学会運営エンジンmeddle
(当時は「touche」)で運営.
■ 2024年6月22日・《814》ラジオ出演
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25年前のきょう,NHKの「もぎたてラジオ便北海道」に生出演し,「光で起こす化学反応」についてトーク.この番組は当時はおひるすぎだったが,制作の
NHK札幌放送局
ウィキペディアによれば,現在は平日07:40〜08:00にラジオ第一放送で,「おはよう もぎたてラジオ便」として放送されているもよう.スタジオに行ったのか,それとも電話だったのか,いまとなってはわからないが,はっきりとおぼえているのは,後半でしゃべりすぎて,「まき」が入り,さいごはアナウンサーが「はい,どうもありがとうございましたー」でおわったこと.当時からすでにしゃべりすぎ.
■ 2024年6月21日・《813》入試問題
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3月の北大入試の化学の問題にあやまりがあったとの報道.北大入試の「化学」の委員長をやり,センター試験の出題委員をやった経験からいえば...あやまりは避けられないのではないかというのが実感.それは,つくった試験問題をもちかえることができないから当然といえる.会議の限られた時間内しか直接目にすることができず,それ以外の時間は記憶にたよるしかない.じゃあどうすればいいのか...大学入試(二次)なら,やはり入試課のようなところで出題採点委員はいつでも閲覧できるようにするしかないか.
■ 2024年6月20日・《812》酒のみのおっさん
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某学会の某研究会主催の某シンポジウムの発表申込締切の延長にあわせて研究会の世話人代表が世話人にむけて,発表申込の勧誘メールを配信.発表申込みの勧誘文2行のあとは,じもとで有名な飲み屋の紹介が延々とつづき,「よいお酒は翌日にのこりません」とのご託宣.どうやら,そのシンポジウムに参加し,発表することの意味はなにかという視点はなく,酒をのむためにあつまってくださいといわんばかり.世話人には,酒をのまないひともいるだろうし,そもそも,なぜその研究会がそのシンポジウムを開催しているのだろうか.ここでも『酒のみのおっさん』がものごときめている(
現地・対面信仰をのりこえろ
).
■ 2024年6月19日・《811》ドープ酸化チタン
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酸化チタンなどに異種元素(hetero atom)した
ドープ型光触媒
については,あまり意識していなかったが,しらべてみるとなんと30報以上あり,その多くが共同研究.で,そのドーピングが構造にどのような変化をもたらし,それが光触媒活性にどのように影響するのかについて何か共通するものがえられたのか,といわれると...やはり観測しているのは,バルクの構造(それも結晶だけ)と表面積(あるいは粒子径)だけだからか.逆二重励起光音響分光法測定による電子トラップ密度のエネルギー分布をピーク分離すれば,なにかあたらしい知見がえられるか.ただいま某大学からのドープ酸化チタンを測定中.乞うご期待.
■ 2024年6月18日・《810》テンプレート
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学会運営エンジンmeddleでは要旨PDFファイルを発表者がアップロードして,参加者がダウンロードするのが原則.発表番号や著作権表示をひとつひとつに入れる作業も,ダウンロード時にウェブシステムが自動的に処理するから,そのための位置を確保しておく必要がある.これが,要旨にテンプレートがあってそれにしたがって作成してもらう最大の意味だが,参加者に必要な情報をすべてふくめてもらうためにテンプレートが設定されるのは当然のことといえる.アップロード時に確認が必須であるにもかかわらず,実際にはテンプレートをつかわなかったり,テンプレートの書式を変更して作成されることが頻発.「ちゃんと」作成する発表者との公平性をたもつために,「テンプレート不使用」については,自動的にその旨表示されるように設定.
■ 2024年6月17日・《809》キセノンランプ交換
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RDB-PAS測定装置(分光計器製[BK3])で酸化チタン系サンプルを測定していたところ,RDB-PAスペクトルの形状がおかしいのでチェックしたらキセノンランプが消灯していた.使用時間は約1,800時間.ストック品に交換(じつは生産中止品)して,オゾンレスフィルターもUV-22に交換(まったくオゾン臭なし).2年ぶりの交換作業で以前のプロセスをおもいだせず,端子の装着位置をまちがって(なぜか2つのネジ穴がある)うまくいかないトラブルも.FPRシリーズの酸化チタンの測定が完了して,べつの酸化チタンを測定するタイミングで切れるとはなんとも親孝行なランプ.おつかれさまでした.しばらくエージングしてから,強度測定の予定.
■ 2024年6月16日・《808》粒子間電荷移動
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きょうの論文
のひとつ「
KWPTF2018
」は,粒子間での電子移動がおこることをしめした論文.光触媒反応系では,励起電子や正孔が粒子間を移動することが,さも「あたりまえ」のように論じられている文献がほとんどだが,実際にその粒子間電荷移動がおこっていることを示唆する実験結果はなかったといえる.この論文では,(気相法合成のために)もともと粒子間の接触がすくないP25について,ごく微量の白金を担持させたときの担持量依存性が,熱処理することによって変化する(微量の担持でも高活性)ことから,熱処理によって二次粒子が形成されると,そのうちの一部の粒子に白金が担持されていれば,活性が発現する,つまり,二次粒子内で電子移動がおこると推察.そこそこ引用はされているが,この論文を引用しないで粒子間電荷移動を論じてもたでも文句はいわないから引用数がすくないのは当然か.
■ 2024年6月15日・《807》滝川高校特別講義〈その2〉
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5月30日におこなった
滝川高校での特別講義
を聴講(参加)した生徒の感想がはいったメモが届く.例年は感想をよむにとどまっていたが,今回は,学会運営エンジンmeddleでこの
特別講義を設定
(だれでもいつでも閲覧可能[生徒の氏名などの個人情報なし])し,そこに感想とそれに対するコメントを掲載.講演ではなしたトピックの半分くらいは昨年の特別講義でも話した内容なので,2年生にとっては2回めのはずだが,おなじように「ひっかかって」いる(見えないのにバスのタイヤをまるく描く)のがほとんど.「やられた!」とおもったことが頭にのこらないのがふしぎともいえる.その点もふくめて,1年生の感想は「おもったとおり」書いている印象だが,2年生は「そつのない」ものが多いというのも気になるところ.
■ 2024年6月14日・《806》光触媒N-環化反応
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奇しくも
きょうの論文
2つは光触媒反応によるN-環化反応に関する速報.ひとつ(
PIP1990
)は白金担持酸化チタン光触媒によって,L-リシンからL体過剰のピペコリン酸(5員環のプロリンが6員環になったもの・非タンパクアミノ酸)が合成できるとした論文で,アメリカ化学会の有機化学の専門誌であるJOCに掲載.形式的には脱アンモニア反応で,酸化でも還元でもないが,光触媒反応による酸化,環化とそれにつづく還元反応によって進行する機構をしめした.もうひとつ(
DAP1995
)はその応用で,リシンのε位にもうひとつのカルボン酸がついたジアミノピメリン酸(diaminopimelic acid=DAP)から,ピペリジン-1,6-ジカルボン酸(PDC)を合成できるというもので,有機合成の専門誌であるTetrahedron Lettersに掲載.
■ 2024年6月13日・《805》開店23周年
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家内が経営する「カフェ・ギャラリー イル・ポスティーノ」がきょうで開店23周年(2001年6月13日開店).NPOのスタジオ(ワークスペース)があるマンションの1階に3つある店舗のまん中で,両隣はいろいろな店がはいったが,いちばんながい歴史の店舗.左どなりの動物病院は閉院して,現在はワインバーへの改装工事中.右どなりのカフェは,やすみの日は行列ができて,イルポスティーノのまえまでならぶわ,自転車は置くわでかなり迷惑.それはともかく.地域のひとがしゃべりにやってくるのはいいこと.イメージは記念の花束(うつぎ).
■ 2024年6月12日・《804》RDB-PAS測定装置
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2020年の
きょう
6月12日の記事は「RDB-PAS装置の実用化課題解決の糸口」が「くわしくは書けませんが,分光分析でありながら,じつは電子トラップへの電子蓄積の作用スペクトルという化学反応を追跡しているということがことの本質です」から見えてきたと.正直にいうと「なんのことやら」おもいだせないのだが,たぶん波長ごとの待ち時間を一定ではなく,その波長の光での電子トラップへの電子の蓄積が完了するのをまって,つぎの波長にすすめるというプログラムのことで,SP1とSP2には実装されていた.BKシリーズ装置の分光計器製のアプリケーションもその方式へ改良してもらうことを依頼して,さいきん了承がえられたところ.じつに4年かかったことになる.
■ 2024年6月11日・《803》オンライン国際会義
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とある国際会議「」にオンライン参加.この国際会議は,さいしょは「The International Conference onTiO2 Photocatalysis: Fundamentals & Applications」の名称(略称はたとえば第12回なら「TiO2-12」)でHussain Al-Ekabiではじめたもので,記録によれば,ちょうど20年前の2004年の「TiO2-9」にはじめて参加.2012年に「17th International Conference on Semiconductor Photocatalysis and Solar Energy Conversion (SPASEC-17)」と名称がかわって,これまでに今回をふくめて16回参加.昨年もオンライン参加したが,じぶんが講演できるだけで,現地でのほかの講演はきけず(登録料は返金された).今回は,現地での講演もオンラインで視聴できるということだったが,実際には,1日めがすべてオンラインの講演で,そこだけ視聴できただけ.そのうえ,現地の音声はノイズがはいってきこえない...なんと.やはり「コンカレント(ハイブリッド)」開催はむずかしいのか.
■ 2024年6月10日・《802》量子効率
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きょうの論文
のひとつ「
QTM2005
」は,わかっているようでわかっていない量子収率(quantum efficiency)を不均一系光触媒反応の解析にもちいるときの問題点を指摘したもの.おおきくいえば問題点は3つあって,(1)均一系とちがって,光吸収を正確にみつもるのがむずかしいことと,(2)有機化合物や金属錯体とちがって,反応生成物が1電子移動で生じるとは限らず,移動電子数を仮定せざるをえないこと,(3)光強度依存性の次数が1(速度が光束に比例)以外の場合があること.「おわりに」には「著者のペシミスティックな性格のためか,「むずかしい」とか「問題がある」という表現の多い文章なってしまったが,これが「光触媒の量子収率計測」の実状である」と.気になるのは,さいしょに「じつはもうひとつ光触媒に関連する計測についてネタがあるが,こちらの方は,著者の営業上の理由でやめておく」の記述.なんだったのか.
■ 2024年6月9日・《801》OAPとDAP
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きょうの論文
のうち最近のもの2つ(
AKT2010
と
OADAP2018
)は,奇しくもいずれも2つの酸化チタン粒子(OAP=八面体形状アナタース酸化チタンとDAP=十面体形状アナタース酸化チタン)の光触媒活性に関する論文.どちらも先駆的な研究成果.たとえば,AKT2010では,図7(イメージ左)で銀微粒子の光析出が台形の{101} 面で優先的であることをしめしつつも,いまや定説となっている{101}面と{001}面がそれぞれ励起電子による還元と正孔による酸化サイトになっているとするのは,{101}面しかないOAPでも光触媒反応が進行することをかんがえれば「the hypothesis seems too simplified」と(のちに
KBKNF2018
で報告).OADAPには,当時としてはめずらしくRDB-PASによるERDT/CBBパターンが図4として掲載されている(イメージ中)が,さいきんの測定結果(イメージ右)とくらべると,OAPとDAPのいずれも純度がひくいように思われる.
■ 2024年6月8日・《800》アカウント
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といっても銀行口座やログインの権利の意味ではなくて,著者じしんの研究を中心とする解説論文のはなし.アメリカ化学会の「Accounts of Chemical Reserch」が有名(というより化学系ではこれくらいしかない).さいきんまで,とある学会の機関誌である英文総説誌の編集委員だった.この雑誌はインパクトファクター(IF)がきわめてたかいため,業績づくりをねらって総説原稿の一般投稿が多いのだが,じぶんの論文が引用されていない,つまりじぶんでは研究せずに検索であつめた関連論文をつなぎあわせて原稿をつくる「総説屋」がおおいことが問題.そもそも総説は,論文を入手できない研究者に対する情報提供の意味があったが,現代ではそれは不要.さらに,どんな人が書こうと,論文の論理構成までチェックすることはむずかしいので,あやまっていたり,単に想像にすぎない結論がそのまま固定されるという問題がある.そんな総説はやめて,研究者やそのグループの研究をまとめたアカウントの専門誌にすればいいのではないかと編集委員会で提案したが,そんな簡単なはなしではなさそう.組織がかわるのはむずかしい.
■ 2024年6月7日・《799》ビスマスのなぞ
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各種の金属酸化物サンプルをRDB-PAS(逆二重励起光音響分光法)測定してえられるERDT/CBBパターンでは,ERDTのメインピークとCBBがだいたいおなじくらいのがふつうだが,過去に測定した酸化ビスマス(III)(Bi
2
O
3
)では,メインピークがかなり高い位置に出現(イメージ右).通常のn型半導体では,ドナー準位は伝導帯下端(CBB)付近にあるので,電子トラップも同程度になるはずと思っていたが,Bi
2
O
3
ではちがうらしい.かんがえられる理由は,(1)Bi
2
O
3
の電子トラップはもともと高いエネルギ−位置にあるか,(2)べつのサブバンドの吸収のために本来の吸収端エネルギーをひくく見積もっていること.光触媒反応系では,ビスマス化合物があると酸素の2電子還元がおこりやすいのではないかとの推測(
BTKNF2018
)があるのでこれと関連しているのかもしれない.
■ 2024年6月6日・《798》PPP
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きょうの論文
のひとつ
PPP1989
は,ちょっとかわった論文.ポリプロピレンに0.25%の酸化チタン粉末を混合してフィルムを成膜して紫外光を照射すると,Degussa(現在Evonik)P25以外の酸化チタンでは,なにも添加しないフィルムとおなじように徐々に破断伸びが低下する(これはポリプロピレンの紫外線劣化)が,P25ではもともとほぼ透明なフィルムが徐々に白濁し,それとともに破断伸びが急速に低下する.電子顕微鏡観察すると,フィルムのなかにP25(とおもわれる粒子)がはいった空洞が形成し,これが強度を低下させることが判明したというもの.一種の「虫喰い」.
■ 2024年6月5日・《797》3年前のサンプル再解析開始
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3年前の12月(大谷研究室をとじる4か月前)に室蘭工業大学の高瀬舞准教授のグループから委託された複合酸化物試料について,当時されていなかった伝導帯下端エネルギー(CBB)決定のためのPAS測定(RDB-PAS測定後のサンプルをアルミナで希釈して使用)とERDTパターンのピーク分離解析を開始.ERDTパターンは,これまでの酸化チタンや酸化セリウム,酸化スズと同様に5本のガウス曲線に分離できることが判明.CBBもこのピーク分離で再現でき,それぞれのピークの帰属もなんとかなりそう(一部の予想される成分のみをふくむ標準試料がないのがつらいところだが...).アモルファス成分をふくむ酸化チタンサンプルのERDT/CBB解析(論文[BRRUL2021]は
こちら
)などで高島舞助教(現名古屋大学)が主導して確立したピーク分離がこの試料の解析にも有効であることがあきらかに.
■ 2024年6月4日・《796》十面体形状アナタース酸化チタン
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FPRシリーズの酸化チタンサンプルの
RDB-PAS測定
の90種類のサンプルのひとつが十面体形状アナタース酸化チタン(decaheral anatse particles=DAP).これは,昭和タイタニウム(現レゾナック富山工場)にあった
パイロットプラントで合成
された試作品.残念ながらERDTパターンのピーク分離をしてみると(イメージ左),アナタースの表面(3.13 eV付近に緑のピークがある...はず)はほとんどなし.実験室で合成したものをさがしてみると,
OADAP2018
にあった(イメージ右)が,これもあまりはっきりした単一ピークではない.研究室を閉じるときに,DAPの気相合成装置は廃棄したので,いまさら高純度のDAPを入手できないのが残念なところ.
■ 2024年6月3日・《795》FPRシリーズ測定完了
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逆二重励起光音響分光法(RDB-PAS)測定による電子トラップのエネルギー分布(ERDT)/伝導帯下端エネルギー(CBB)パターンにもとづく構造−光触媒活性相関の解析をおこなうため(名古屋大学高島舞助教との共同研究),
FPR2010
に記載の40種類の酸化チタンにさらに10種類をくわえた50種類のサンプルのRDB-PAS測定を2月27日に開始して,きょうでようやくすべてのERDT/CBBパターンを取得.サンプルは50種類だが,測定をすすめるうちに試料のアルミナによる希釈(電子トラップの総密度がたかい場合,PA信号が飽和するため,サンプルを希釈する必要あり)のやり方を模索したり,サンプルの不均一性がうたがわれる場合があったり,ある程度の解析をすすめた段階で予測できることに気づいた比表面積が実際の測定値とおおきくずれていることなどから,なんども再測定をくりかえした(イメージは再測定結果がはいったフォルダー)のが,3か月以上要した理由.ピーク分離による解析法がほぼ確立され,ERDTパターンから,CBB(吸収端エネルギー)というバルクの構造特性と,比表面積という粒子サイズを予測でき,粉末の構造をERDTパターンだけで表現できることがあきらかに.《CBB(=吸収端エネルギー)をもとめるためのPAS測定も希釈が必要であることが判明してこちらも再測定》
■ 2024年6月2日・《794》研究室再開準備
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コロナ禍のまっただ中の2020年のきょうの業務日誌には,「研究室再開準備(案内メール作成/添削/送付)」と記載.すでに連休あけからオンラインでの授業(環境科学院)ははじまっていたが,研究室は閉鎖していた模様.再開にあわせて6月1日には,「[作業]スクリプト修正(board=入室時に体温入力/記録/表示)」との記載があり,もともとオンラインの所在表示ボードに体温入力をもとめる機能を追加している(集計については
こちら
から.).実際には翌週の6月8日から再開したようで,その日に「[講習]Instructions for laboratory safety and research work/安全講習(全員/緊急シャワー/洗眼ホースチェックふくむ)+液体窒素+研究不正防止研修(大学院生)」との記載.たいへんではあったが,コロナ禍はいろいろな意味で「これまでのやり方」をみなおすいい機会だったのではないか.
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