10日 ◆ 地上で一番高いのは母である |
あなたが輝く−新渡戸のことば(花巻新渡戸記念館)より |
《出典:新渡戸稲造「一日一言」[7月18日]》母の愛ほど神の愛に近い愛はない.幾度歳を重ねても,幼き時の清き心に呼び返し,恩愛の真味を与うるものは母の愛である.憂き事しきりに来り,神も仏も我を棄つると歎く時も,母の心ばかりは疑えぬ.親を思う心にまさる親心とやら,この心を汲むを孝という.仁愛の発起点はすなわちこれ.「何事も偽多き世の中に子を思ふのみぞ誠なりける」「無き親を思ふ思ひを有りし世にもたばや今の悔やなからん」《この日は新渡戸稲造の母勢喜が1880年,57歳で死んだ命日.稲造は1871年上京以来9年,母と会わず,9年ぶりに帰郷したときは母の死後二日であった.生涯追慕の念は厚かった.》 |
6月10日 ◆ 光圀卿の教訓 |
新渡戸稲造「一日一言」(財団法人新渡戸基金/2002)より |
寛永五年(西暦1628年)の今日,水戸黄門光圀卿が生まれた.卿の教訓にいわく.「苦は楽の種,たのしみは苦しみの種と知るべし.主人と親は無理なるものと思え.下人は足らぬものと知るべし.恩を忘るることなかれ.子ほどに親を思え.子なきものにおじよ.酒と色は敵と知るべし.朝寝すべからず.分別は堪忍なり,小なる事に分別せよ,大なることに驚くべからず.九分に足らば十分にこぼるると知るべし.」 |