イメージのような電子(正孔)移動の模式図はよくある(このイメージは「Ohtani, B. Revisiting the Fundamental Physical Chemistry in Heterogeneous Photocatalysis: Its Thermodynamics and Kinetics. Phys. Chem. Chem. Phys. 2014, 16, 1788-1797. [10.1039/c3cp53653j]」)のだが,基本的にこれは熱力学(thermodynamics)的描像であって,実際の電子(正孔)移動の速度や効率についてはなにも情報をあたえていない...が,電子が「ころん」と吸着基質に移動することはない.有機化合物や金属錯体どうしの電子移動なら,軌道が空間的・エネルギー的にかさなる必要があるが,光触媒反応でこのようなイメージをともなったシナリオはみたことがない.金属酸化物では表面はほぼ酸素イオンでおおわれているので,励起電子がある伝導帯(金属イオン由来の軌道)が外部に露出していないから,なんらかの「出口」つまり「パス(path)」が必要ということになる...というストーリーを,応募をすすめられたとある研究会の賞の準備をしていて思いついた. |