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世話人代表 大倉一郎 本研究会は、電場や光(電磁場)によって起こる原子及び分子の活性化とそれらの間の電子授受を伴う触媒反応を対象とし、エレクトロ/フォトキャタリシスに携わる研究者の連携のもと、これらの理解を深めるとともに新たな展開を図ることを目的としてきた。特に、地球規模でのクリーンなエネルギー生産や環境保全問題に寄与できるように、光化学電池(Gratzel型太陽電池)、酸化チタン半導体光触媒などの応用による汚染水や汚染大気の浄化、人工光合成型の二酸化炭素の還元固定、新合成プロセスの開発、生体関連反応、燃料電池などの広範な領域とかかわりをもった研究会である。電気や光を用いることで環境に優しい温和な条件で触媒反応が行えるため、本研究会のかかわる領域は環境調和型技術に深く関連しているといえる。また、本研究会とかかわりの深い「光がかかわる触媒化学シンポジウム」を発足時より取り込み、長期にわたって継続されているこのシンポジウムをより発展させるとともにこの分野の活性化も目的の1つとしてきた。この目的に沿って、これまで幾度かのシンポジウム、セミナーや世話人会を開催し議論を重ね意見交換を行ってきた。その成果は「触媒」に記述した通りである。
クリーンで新規なエネルギー生産や地球規模での環境保全問題に対する社会の要望に応じるために、今後さらに、光化学電池の電子移動過程を含めた光−電気交換機構の解明、また汚染大気の浄化や悪臭物質の分解除去さらには抗菌・殺菌剤など広く応用展開が計られている酸化チタン光触媒などの高効率化や可視光化さらには光触媒作用機構の分子レベルでの解明など、基本的な寄与が求められている。人工光合成型の二酸化炭素の還元固定、新合成プロセスの開発、生体関連反応の解明、新規な燃料電池の開発とその機構解明など広範な領域での活動と寄与が重要であり切望されている。環境調和型技術の宝庫とも言えるこれらの分野において、触媒学会がイニシャチブをとるためにも、研究会の活動が不可欠の状況にあると考えている。以上のことから本研究会を発展的に解消し、重点目標を定めた新しい研究会「燃料電池関連触媒研究会」と「光触媒研究会」の発足が期待されよう。最後に、本研究会の活動にご尽力下さいました世話人各位、ならびに研究会に参加し活発に討論頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。 |
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